夢ばかりみていた

アルバム『夢ばかりみていた』の詳細

1990年2月25日、シンガーソングライターさだまさしがリリースしたアルバム『夢ばかりみていた』は、彼のソロとしては15枚目のオリジナル作品です。本作はCDのみの発売となり、LP盤との併行は行われませんでした。さだまさしの個性が光るこのアルバムには、様々な感情や思索が込められた楽曲が収められています。

収録楽曲とその背景

夢ばかりみていた

この曲は、音楽的な楽器を全く使わず、想像の中から生まれたメロディが特徴です。一見シンプルに思えますが、無垢な発想から独自の世界が広がっていくのを感じることができます。

渋滞（ラッシュ） -故 大屋順平に捧ぐ-

個人的な悩みをもとにしたこの曲は、曲中で言及される「今世紀最後の金星蝕」が1989年12月2日に実際に起こったことからも、リアリティが感じられます。また、「飛び乗ったひかり」という表現は、当時最速の新幹線に関連しており、時代背景を反映しています。

修羅の如く

この楽曲では、次の人生について考えさせられる哲学的な内容が展開されており、生や死、そして新たな始まりというテーマが描かれています。

初恋

初恋の思い出が詩的に表現されたこの曲は、もともとは佐田玲子がオリジナルで、さだによるセルフ・カヴァーとなっています。甘い回想を綴ったメロディは、聴く人々をその思い出に誘います。

十六夜

人間関係の深い部分を探究するこの曲では、友情と愛情の複雑さが描写されています。感情に満ちた歌詞が、聴き手の心に響くことでしょう。

破

別れをテーマにしたこちらも、厳しい現実を淡々と表現した作品です。この曲も再び佐田玲子によるオリジナルで、さだまさしの歌声で新たな解釈が生まれています。

デイジー

「たとえ世界を敵にまわしても、僕は君の味方だよ」という内容が印象的で、かつてのギタリストの言葉を引用しています。オリジナルは1987年のシングルですが、再編曲されて新たな形で蘇っています。

せっせっせ

この楽曲は、映画『カラー・パープル』の影響を受けて生まれました。コスモス畑の弟妹の様子から着想を受けたというユニークな背景があります。

冬の蝉

哲学的なテーマを歌ったこの曲は、テレビドラマ『奇兵隊』の主題歌にもなり、さだまさしの人気楽曲としても広く知られています。

赤い靴

長崎の情景を背景に、懐かしい思いを込めた応援歌です。苦難を共に過ごす花のような存在を想い描いており、感情にあふれたメッセージが感じられます。

参加ミュージシャン

全曲はさだまさしが作詩・作曲を担当し、編曲は渡辺俊幸と服部隆之が行っています。さまざまなミュージシャンが参加しており、サウンドに幅を持たせています。特にエレキギターの松原正樹をはじめ、アコースティックギターの吉川忠英、パーカッションの木村誠など、豪華な顔ぶれが揃いました。

このアルバムは、感情豊かな音楽と共に、さだまさしの独特な視点から描かれた豊かな世界を届けてくれます。彼の作品は、聴く人々の心に深い印象を残し、心の奥に感情を呼び起こします。

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