大いなる完

『大いなる完』について

『大いなる完』は、漫画家本宮ひろ志によって描かれた作品で、1983年から1984年にかけて講談社の「モーニング」で連載されました。この作品は、同名の映画が製作されたことでも知られています。

物語の概要

作品の主人公、鉄馬完は、政治家田中角栄がモデルとされていますが、本宮の独自のアプローチにより、完全なフィクションとして仕上げられています。鉄馬完の故郷は広島県福山市近郊の山手村と設定されており、この村名は実在のものですが、作り込まれたストーリーが描かれています。本宮の妻であるもりたじゅんがこの地域出身であることも、この設定に影響を与えています。

物語は、主人公が極貧の小作人の家庭に生まれ、土建業界で華々しい成功を収め、その後国会議員となり、最終的には首相にまで上り詰める過程が描かれています。鉄馬完の生涯は、田中角栄の実際の人生をなぞっている部分もありますが、彼にまつわるエピソードやキャラクターは独自のものとされています。

また、作品中には実在の政治家が変名で登場し、主人公との関わりが描かれることで、フィクションでありながらもリアリティを感じさせる内容になっています。このように物語はモデルとなった人物の生涯にインスパイアされつつ、異なる視点から展開されています。

映画『大いなる完 ぼんの』

この漫画を基にした映画は、1998年に『大いなる完 ぼんの』というタイトルで上映されました。監督は高橋伴明、製作はGPミュージアムソフトが行い、主要なキャストとして的場浩司、哀川翔、南野陽子、大塚寧々といった著名な俳優陣が起用されました。

映画は約150分の長編で、製作費は限られていたため、セットや映像表現が低予算に収められ、映像作品としての迫力に欠けたとの指摘もあります。興行収入は期待には届かず、この低予算の影響が大きいと言われています。さらに、主要な舞台が熊本県に設定されている点も、原作との違いの一つです。

キャストとスタッフ

映画『大いなる完 ぼんの』のキャストには以下の俳優が名を連ねています:

• - 的場浩司（鉄馬完）
• - 哀川翔（石倉新太郎）
• - 南野陽子（石倉高子）
• - 大塚寧々（キヨ）
• - 大和武士（竜川次郎）
• - 宇崎竜童（北野秀男）
• - 青木堅治（勝又三郎）
• - 白竜（大助）
• - 佐野浅夫（石田茂）
• - 高橋恵子（紀子）
• - 松本竜助（権造）

映画の製作には、脚本を佐々木乃武良と高橋伴明が担当し、主題歌や挿入歌を中島みゆきが歌っています。観客にとっては、視覚的なストーリー展開が期待される中で、作品が持つ重要なテーマをどう表現するかが大きなポイントとなりました。公式ホームページや映画へのリンクも提供されています。

このように、『大いなる完』は漫画としても、映画としても魅力的な作品であり、多くの人に親しまれています。

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