大久保作次郎

大久保 作次郎について

大久保作次郎（おおくぼ さくじろう、1890年11月24日 - 1973年2月28日）は、日本の洋画家として広く知られ、日本芸術院の会員でもありました。彼の作品や経歴は日本の近代美術における重要な位置を占めています。

経歴のはじまり

大阪市で生まれた大久保は、旧姓が氏原という家系に属していました。1911年に叔父の大久保家を継承し、彼の芸術活動の道が切り開かれました。この後、東京美術学校の西洋画科に進学し、そこで著名な画家・黒田清輝から指導を受けました。同級生には他の有名な画家として鍋井克之がいたことでも知られています。学業期間中には文展に初めて入選し、その才能が早くも評価されました。

芸術活動と国際経験

卒業後も大久保は東京美術学校の研究科に進み、1918年に修了。その後、1916年から1918年にかけては文展で特選を受賞するなど、彼の名声は高まりました。特に1923年にはフランスに渡り、約4年間をヨーロッパで過ごしました。この時期、彼は多くの新しい技法やインスピレーションを得て、自身の画風を大きく深化させました。

教育者としての役割

1935年には多摩美術大学の教授職に就き、その後も多くの若手アーティストの指導にあたりました。教師としての地位にあった彼は、槐樹社や創元会といった美術団体の設立にも参画し、日本の現代美術の発展に寄与しました。

戦後の活動

戦後の1950年には日展の運営会に参画し、同年から1954年まで旺玄会の会員として活動しました。翌年の1955年には新世紀美術協会を設立し、さらなる表現の場を追求しました。1958年には日展の評議員に就任し、1960年には「市場の魚店」作品で日本芸術院賞を受賞するなど、彼の作品が高く評価される時代が続きました。1963年には芸術院の会員となり、日展理事としても活動しました。

受賞と栄誉

1966年には日本の文化と芸術に対する功績を認められ、勲三等瑞宝章を授与されました。さらに1969年には日展顧問としてその活動に貢献し、彼のキャリアは多岐にわたりました。

画集の出版

大久保作次郎の作品は多数の画集としてまとめられており、その中には1932年に発刊された「大久保作次郎画集 美術工芸会」や、1971年にサンケイ新聞社から出版された「大久保作次郎画集」が含まれています。これらの画集は彼の芸術的な足跡を後世に伝える貴重な資料となっています。

大久保作次郎は近代美術の発展に大きな影響を与えたことで、日本の芸術界において特別な存在として語り継がれています。彼の作品や業績は今なお多くの人々に感動を与え続けています。

もう一度検索