大久保力

大久保 力: 日本のレーシングドライバーとジャーナリスト

大久保 力（おおくぼ りき、1939年生まれ）は、日本のモータースポーツ界において多大な影響を与え続けているレーシングドライバーであり、自動車ジャーナリストでもあります。東京都小金井市の出身で、かつてはモーター新党の代表としても活動していました。

初期のキャリア

大久保は1953年、14歳でオートバイに乗り始め、東京オトキチクラブに参加しました。1958年には全日本モーターサイクルクラブマンレース大会に出場し、彼のレースキャリアが始まります。1960年9月、トーハツから支援を受け、宇都宮市で開催されたクラブマンレースで本格的にレーシングライダーとしてのデビューを果たしました。彼は、1962年には鈴鹿サーキットで行われた全日本ロードレース選手権大会に出場し、スズキに所属して将来の名声を築く一歩を踏み出します。

四輪レースへの転機

1963年、日本で初めての四輪レースである第1回日本グランプリ自動車レース大会に参加し、富士重工業の契約ドライバーとしての役割を果たしました。大久保はスバル450を運転し、671ccのパブリカに対抗して総合9位を得るなど、当時のオートバイレーサーたちの間で注目を浴びる存在となりました。1964年に行われた日本グランプリでは、400ccクラスで見事に優勝しましたが、1965年にはスバルとの契約が終了し、ドライバーとしての活動に不安定さが出始めます。

タイヤ開発と国際舞台への進出

その後、大久保はブリヂストンでのテストドライバーとして活動しながら、マカオグランプリへも進出しました。1980年代には香港－北京ラリーに参加し、連続で優勝を果たすなど、国内外のレースシーンで成功を収めました。これを機に、彼は日本のドライバーの国際舞台への挑戦を支援する存在としても認識されることとなります。

メディアへの貢献

レーシングドライバーとしての活動を忘れることなく、大久保はメディアでも幅広く活動してきました。『月刊モーターサイクリスト』や『driver』『CARトップ』といった媒体で記事を執筆し、オートバイ文化の普及や質の向上に寄与しました。1971年からは東京モーターサイクルショーの開催を提案し、中核となってイベントを実施し続けました。このショーは日本のオートバイ業界を代表するイベントとなっています。

政治活動と影響

1980年代には国政への進出を目指し、政治団体2&4政策研究会を設立しました。オートバイの二人乗り禁止解除や高速道路料金引き下げを訴え、参議院選挙にも立候補しました。彼の活動は、モータースポーツに対する無関心が続いていたライダーたちの意識改革に寄与しました。結果的に、オートバイ議連の設立や、法律改正への道を開くことになりました。

最新の活動

近年では、モータースポーツの黎明期を題材とした著作を執筆しています。さらに、2013年にゴールドスタードライバーズクラブの副会長に就任し、マカオグランプリ60周年を記念したレースにも参加しました。彼の存在は、今なお多くのモータースポーツファンに影響を与え続けています。

代表著作

• - はつらつ人生バイク無量（三栄書房、2003年）
• - サーキット燦々（三栄書房、2005年）
• - 百年のマン島―TTレースと日本人（三栄書房、2008年）
• - 無我夢走 日本初の自動車レースに飛び込んで（三栄書房、2016年）
• - 鉄塊の鼓動（東京FM出版、1994年・監修）

大久保力は、究極の挑戦者としてモータースポーツの歴史を刻み続けており、その影響力は時代を経ても衰えることがありません。

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