大内順子

大内順子の人生と業績

大内順子（おおうちじゅんこ、1934年5月4日 - 2014年10月30日）は日本のファッション業界において名を馳せた、元モデルでありファッション評論家、ジャーナリストです。本名は宮内順子で、多くの人々に影響を与える存在であり続けました。彼女はサングラスとボブヘアをトレードマークとしており、身長は161-162cmだったと言われています。

大内の血筋は、政治家で衆議院議員として知られる大内暢三の孫であり、また生物学者の大内義郎の次女として1934年に上海で生を受けました。父が上海の自然科学研究所に勤めていたため、彼女は幼少期をフランス租界で過ごしましたが、1944年の太平洋戦争の激化により、母と姉と共に日本に帰国し、神戸、大阪、岡山と疎開先を転々としました。岡山県金光町で終戦を迎えた後、大内家を守るために白木村に引っ越し、その後愛知県豊橋市へ移り住み、豊橋市立豊城中学校、愛知県立豊橋東高等学校を経て、1953年4月には青山学院大学文学部に進学します。

大学在学中、銀座で行われたファッション特集のモデルを探していた画家の宮内裕に見出され、モデル業を始めます。『婦人画報』などのファッション雑誌やショーで活躍し、1955年には宮内との結婚を果たしました。彼女の美しさは中原淳一に魅了され、彼の雑誌『それいゆ』のモデルとしても知られ、後にはファッションコラムの執筆にも取り組むようになります。

大学卒業後、大内はモデルからファッションライターへとシフトし、雑誌や新聞、ラジオ、テレビなどのメディアで幅広く活躍。日本におけるファッションジャーナリストの先駆けとなりました。しかし、1960年には交通事故に遭い、右目の視力を失う重大な怪我を負います。この出来事以降、彼女は人前に出る際に大きなサングラスを常に着用するようになりました。

ファッション業界での大内の活動は多岐にわたり、世界各国でファッションコンペティションの審査員を歴任し、パリやミラノ、ニューヨークのファッショングループから多数の賞を受け取っています。2001年にはフランス政府から芸術文化勲章オフィシエ章を授与され、その業績が国際的にも評価されたことがわかります。

大内順子はまた、テレビ番組『ファッション通信』にも携わり、1985年から2002年までテレビ東京系列、さらに2002年からはBSジャパンで出演し、多くの視聴者にファッションの魅力を伝えました。彼女の著書も数多くあり、ファッションに対する彼女の洞察が詰まった書籍が出版されています。代表作には『FASHION・流れと人』や、『パリ・コレの最前列から』があり、それぞれにおいて彼女のファッションに対する情熱や考え方が表現されています。

2014年10月30日、彼女は胆管がんにより神奈川県川崎市内の自宅で亡くなりました。享年80歳。大内順子の影響は今なおファッション界に色濃く残り、彼女が切り拓いた道は多くの後進に受け継がれています。

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