大分港駅

大分港駅：大分港臨港線の歴史と現在

大分市生石地区に存在した大分港駅は、国鉄大分港臨港線という貨物専用線の終着駅でした。日豊本線の支線として、西大分駅から大分港へと延びる全長約1.6kmの路線は、昭和25年（1950年）4月5日に開通しました。当初は非営業線として扱われ、国鉄の運賃とは別に料金が必要でしたが、昭和30年（1955年）1[[2月1日]]に営業線となり、正式に大分港駅が開設されました。

木材輸送を支えた臨港線

大分港臨港線は、西大分駅から分岐し、国道10号や県道22号と平面交差しながら、大分港西大分地区の木材埠頭や野積場へと至りました。線路は、当時「電車通り」と呼ばれていた道路に沿って敷設され、途中スイッチバックを行うユニークな形状をしていました。この路線は、主に木材の輸送に使用され、地域の産業発展に貢献しました。駅周辺には木材を扱う事業所が多く存在し、港湾と鉄道を繋ぐ重要な役割を担っていました。

廃線とその後

昭和59年（1984年）2月1日、産業構造の変化による輸送量の減少や、道路交通量の増加といった社会情勢の変化を背景に、大分港臨港線は廃線となりました。これに伴い、大分港駅も廃止されました。線路は昭和62年（1987年）に撤去されましたが、跡地の一部は緑地として整備され、「臨港緑地」として現在も残っています。緑地には、かつての臨港線の面影を偲ばせるものも残されており、地域の散策路として利用されています。往時の姿を想像しながら、歴史を辿ることができる貴重な空間となっています。

大分港臨港線の概要

まとめ

大分港駅と大分港臨港線は、昭和期の日本の地方経済を支えた重要なインフラの一つでした。木材輸送を担った短いながらも重要な路線は、時代の流れと共に姿を消しましたが、その歴史は「臨港緑地」という形で現在に受け継がれています。この緑地は、かつての活気と、時代の移り変わりを物語る静かな証人として、地域に存在し続けています。訪れる際には、この場所の歴史に思いを馳せてみてください。

もう一度検索