大友昇

大友昇九段の生涯：胃腸疾患との闘いと棋士人生

大友昇（おおとも のぼる、1931年8月6日-2000年8月8日）は、宮城県仙台市出身の著名な将棋棋士です。棋士番号62。飯塚勘一郎八段を師事しました。

華々しいデビューとアマチュア時代

1950年、大友はアマチュア名人戦宮城県代表の栄冠を手にします。翌1951年には二段として奨励会に入会、プロ棋士への道を歩み始めました。そして1953年、念願のプロ棋士、四段となりました。

1956年には、東西対抗勝継戦で14連勝という圧倒的な強さで優勝、華々しいデビューを飾ります。その後も順調に昇段を重ね、1959年には七段に昇段。

病気と闘いながらの棋士生活

しかし、大友の棋士人生は順風満帆ではありませんでした。1960年代に入ると、胃の病に苦しむようになります。15期順位戦では途中休場を余儀なくされ、翌16期順位戦は全休。順位もB2まで降格するなど、辛い時期を経験しました。それでも持ち前の粘り強さでB1へ復帰を果たします。

1967年にはNHK杯戦で優勝。1968年には念願のA級に昇段し、八段となりますが、この年は離婚裁判を抱え、将棋に集中できない時期でもありました。

その後も、十二指腸潰瘍を患い、入退院を繰り返す日々が続きます。10年以上にわたる胃腸疾患との闘いは、大友の棋士生活に大きな影を落としました。

早すぎる引退と晩年

最終的に、40歳という若さで1972年に引退を決断します。引退理由は、長年の胃腸疾患による健康状態の悪化。「この状態では将棋は指せない」という判断でした。

引退後も将棋界への貢献は続き、1993年には将棋の日表彰により九段に昇段。晩年は郷里の宮城で将棋の普及活動に尽力しました。しかし、2000年、69歳でこの世を去ります。

主要成績

棋戦優勝：
NHK杯戦（1回）：1967年度
東西対抗勝継戦（1回）：1956年度
高松宮賞争奪戦（1回）：1962年度

昇段履歴

1951年：二段（奨励会入会）
1953年：四段（プロ入り）
1956年：五段
1958年：六段
1959年：七段
1968年：八段
1972年：引退
1993年：九段（将棋の日表彰）

大友昇九段は、持ち前の粘り強さと才能で将棋界に貢献した棋士でした。しかし、胃腸疾患との闘いは、彼の棋士人生に大きな影を落としました。彼の波瀾万丈な人生は、後世の棋士たちに大きな教訓を与え続けることでしょう。

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