大垣市民病院

大垣市民病院の概要と特色

大垣市民病院は、岐阜県大垣市に所在する公立病院であり、自治体が運営する医療機関の中でも最大規模を誇ります。1933年に創立された市立診療所がその始まりで、以来地域医療の重要な拠点として機能しています。本院は、30の診療科を有し、871の病床（一般771床、結核40床、感染症6床）を持ち、急性期医療や専門医療に強みを持っています。

特に救急医療においては、救命救急センターが年間約7,500台の救急搬送を受け入れ、約50,000人の救急外来を扱うなど、地域住民はもちろん、周辺地域からの患者にも支持されています。小児医療においては、24時間体制での診療を行っており、地域周産期母子医療センターとしても重要な役割を担っています。

診療体制の前提と課題

本院は、地域周産期医療センターとしてハイリスクの出産にも対応していますが、NICUの稼働にもかかわらず、NCUの数が不足しており、受け入れ体制には限界があります。また、2020年以降小児外科の常勤医が不在のため、急性腎疾患の手術が必要な場合、他の施設へ搬送せざるを得ない状況があります。

診療分野の特色

大垣市民病院は、脳神経外科、循環器科、癌診療など幅広い診療分野で高い評価を受けています。脳神経外科は近隣に手術が行える病院が少ないため、緊急搬送が頻繁に行われており、循環器科は名古屋大学関連病院の中でも最多の症例数を誇ります。さらに、癌診療においては地域がん診療連携拠点病院として、多数の癌症例の治療を行い、特に消化器系の癌においては全国的な実績を有しています。

設備と施設の充実

病院内は最新の医療機器を取り揃え、MRIやSPECT、マンモグラフィなど多様な設備を備えています。特に通院治療センターは全国最大規模で、外来でのがん化学療法にも対応しています。また、2016年には病棟の改築工事が完了し、最新のICUやNICUの設置も進められています。これに伴い、救命救急医療にも対応できるようになり、より多くの患者を受け入れています。

経営と地域連携の重要性

大垣市民病院は経営面でも全国的に優良な病院として知られており、持続可能な医療を提供しています。しかし、外来患者の多さから常に混雑しているため、市民からは待ち時間軽減の要望も上がっています。地域医療を支えるために、医療ソーシャルワーカーやよろず相談センターを設置し、地域医療の連携にも取り組んでいます。

沿革と今後の展望

大垣市民病院は、その歴史の中で数回の名称変更を経て、現在の形に至りました。疾病の多様化に伴い、今後も地域のニーズに応えるべく変革を続けていくことが期待されています。病院は全面禁煙であり、タバコを吸わない環境づくりにも努めています。地域に根ざした医療を通じて、さらなる発展を目指す大垣市民病院は、今後その役割をより一層強化していくでしょう。

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