大城将保

大城 将保（おおしろ まさやす）

大城将保は、1939年10月18日に沖縄県で生まれた歴史研究者であり作家です。ペンネーム「嶋津与志」としても知られ、沖縄平和ネットワークの代表として活動しています。また、特定非営利活動法人沖縄県芸術文化振興協会の理事長や、新沖縄県史編集委員としても名を馳せています。彼の研究は、沖縄戦における住民の被害調査や平和に関する活動、さらに小説執筆に及びます。

彼は沖縄戦の研究を深める中で、沖縄県史の編纂に参加し、県立博物館の館長も務めました。著書にあたる『琉球王国衰亡史』や、映画『GAMA 月桃の花』のシナリオも手掛けています。大城はまた、家永教科書裁判や大江健三郎・岩波書店沖縄戦裁判で、東京における評価とは逆に原告側の意見を支持する文献の著者としても活躍しています。

大城の研究と著作

沖縄戦に関する多くの著作がある中で、2007年には「集団自決」への教科書検定の問題を取り上げた告発書『沖縄戦の真実と歪曲』を発表しました。この著作では、歴史教育における事実が歪められてきた経緯について詳しく述べています。大城によれば、文部省が1982年にも検定意見を付け、沖縄県民の努力によって撤回が為された事実があります。

また、集団自決に関しては、1984年以降の家永教科書裁判では、研究者たちの意見が重要視され、裁判所においてもその内容が認められました。大城は、自身の著書を引用した一部の主張について、自身の意図とは異なる解釈がされていることを指摘しています。最近の研究でも「集団自決」は日本軍による強制であったという認識が広まっていると大城は強調します。

戦争体験とその反映

大城は、1983年に発表した著作『沖縄戦を考える』において、集団自決の強制性を否定し、従来の説と対立する立場を取っていることでも知られています。しかしその後の著書では、当時の研究がまだ十分でなかったことを認めつつも、自身の意見についての誤解を解くための考察を行っています。また、沖縄戦の歴史的背景に触れ、記録や証言を基にした実態の探求に力を入れています。

大城は、神戸新聞に掲載された記事に対しても異議を唱え、事実に基づかない捏造が行われたとの見解を示しました。彼の主張は、沖縄県の歴史や文献研究が進む中で、未だに議論の余地が残っていることを示しています。また、彼が手掛けた著作には、沖縄戦の実態に迫るものが多く、沖縄の文化や戦争の記憶を次の世代に伝える努力が伺えます。

まとめ

大城将保は、沖縄における歴史的事実の探求を通じて、美術や文学、そして地域の文化を織り交ぜた多角的な視点から沖縄戦を研究し続けています。彼の著作や活動は、沖縄の平和と歴史を深く考察するための指針となっています。彼の研究の成果が、今後も多くの人々に影響を与え続けることが期待されます。

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