大埜正雄

大埜正雄

サッカー選手、そして指導者として日本のサッカー界に貢献した大埜正雄（おおの まさお）は、1923年3月2日、神奈川県に生を受けました。主にフォワードやハーフバックとしてプレーしました。

学生時代と初期の経歴

神奈川県立湘南中学校に在籍していた頃からその才能は輝きを見せ、1939年には全国中等学校蹴球選手権大会（現在の全国高等学校サッカー選手権大会の前身）でチームを準決勝へと導きました。湘南中学を卒業後、1940年には旧制水戸高等学校に進み、その後、東京帝国大学（現在の東京大学）経済学部で学びながら、大学のア式蹴球部に所属しました。大学時代の1949年には、現役学生とOBが合同で構成された「東大LB」の一員として、有馬洪氏らと共に全日本選手権で優勝を飾るなど、高い実力を示しました。

社会人としての歩みとクラブチームでの活躍

大学を卒業した大埜氏は、日産化学工業株式会社に勤めました。ただし、勤務先においてサッカー活動を続けたかどうかは明らかではありません。

その後、1955年には東京クラブに加わります。ここでは、松永碩氏や岩淵功氏といった名選手たちと共にプレーしました。東京クラブでの活動は目覚ましく、同年に行われた第1回都市対抗選手権ではチームを優勝に導き、翌1956年の同大会でも連覇達成に貢献するなど、中心選手として活躍しました。

日本代表でのプレー

日本代表選手としては、1952年6月8日の全香港華人選抜との試合で初めて日の丸を背負いました。国際Aマッチにおいては、1954年に計3試合に出場しています。参加した主な国際大会には、1954 FIFAワールドカップの予選や、同年のアジア競技大会があります。国際Aマッチでの得点記録はありません。

指導者としての道

現役引退後、大埜氏は指導者としてもサッカー界に貢献しました。1956年5月には、同年のメルボルンオリンピックに臨むサッカー日本代表チームのコーチを務めることになりました。選手の育成やチームの強化に尽力し、日本のサッカーの発展に力を注ぎました。

晩年

長年にわたりサッカーに情熱を注いだ大埜正雄氏は、2001年2月11日に腹部動脈瘤破裂のため、78歳でその生涯を閉じました。その選手としての功績や、後進の指導に尽くした貢献は、日本のサッカー史に刻まれています。

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