大塚ローテック

大塚ローテック（ŌTSUKA LŌTEC）

大塚ローテックは、日本におけるクラフトマンシップを体現する腕時計ブランドとして、特に高い評価を得ています。2012年に片山次朗によって設立され、彼自身がデザインおよび製造の全工程に携わることで、唯一無二の作品を生み出しています。

ブランドの特徴

このブランドの腕時計は、トヨタの車のデザインを手がけた経験を持つ片山が設計しており、外装から内部のムーブメントまで、一貫して彼のビジョンを反映しています。時計の中心的な部分であるムーブメントは、MIYOTA社の国産ムーブメントをベースにしており、自社製のモジュールを組み合わせることで、機能性とデザイン性を両立させています。製造は特に限定的で、2022年の年間製造本数はわずか70～80本と、入手が非常に困難です。

代表モデル

7.5号

7.5号は、ジャンピングアワー、分ディスク、秒ディスクを用いた独自の時刻表示を特徴とします。ムーブメントにはMIYOTA82S5が搭載されており、2023年のモデルチェンジでより高い動作安定性と耐久性が実現されました。具体的には、外装の素材をSUS303からSUS316Lに改善し、風防をミネラルガラスからサファイアクリスタルガラスに変更したため、耐衝撃性も向上しています。また、特注のサファイアレンズやデザインされたストラップが採用され、非常に高い完成度を誇ります。2023年6月には、国際時計博物館に収蔵され、さらに10月には国立科学博物館においても保存されることが発表されました。来年にはiFデザイン賞を受賞する予定です。

7号

7号もまた、ジャンピングアワーを搭載したモデルですが、分ディスクと秒ディスクが同軸上に配置される設計が特徴です。こちらもMIYOTA82S5を基にした自社製モジュールが搭載されています。

6号

6号は2015年に登場し、2024年1月には新モデルが発表されます。レトログラード機構を用いて時刻を表示するさまは、非常に新しく、挑戦的なデザインが魅力です。ムーブメントはMIYOTA9015に基づき、こちらも自社製のモジュールが加わっています。2024年には、ジュネーブ・ウオッチメイキング・グランプリのチャレンジ部門でノミネートされ、グランプリを受賞する見込みです。

5号および5号改

5号は2012年から2022年まで販売され、レギュレーター形式で時刻を表示します。5号改は2025年に発表予定で、サテライトアワー機構が特徴。また、そのムーブメントにはMIYOTA90S5が用いられています。2025年には、GPHGのプティ・エギーユ部門にもノミネート予定です。

創業者 - 片山次朗

片山次朗は、東京コミュニケーションアート専門学校を卒業した後、1993年からトヨタでデザイン開発を手がけ、1998年に独立しました。彼のデザインは、機能性と美しさを兼ね備えており、特に時計製造において培った独学の経験が影響しています。2008年には、グッドデザイン賞を受賞したカメラレンズのデザインを手掛け、自らのブランドである大塚ローテックを2012年に設立しました。現在、片山は「現代の名工」として厚生労働省に認定されるなど、腕時計界においてもその地位を確立しています。

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大塚ローテックは、その高品質な時計と、デザイン者としての片山の独特の視点により、多くのファンを魅了し続けています。

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