大宮車両所

JR貨物大宮車両所：歴史と役割

JR貨物大宮車両所は、埼玉県さいたま市大宮区に位置する、関東支社管轄の車両工場です。JR東日本大宮総合車両センターに隣接しており、その立地から「鉄道の街・大宮」の中核を担う施設の一つと言えるでしょう。

歴史

大宮車両所の歴史は古く、1894年（明治27年）に日本[[鉄道]]が設立した工場を起源としています。120年以上にわたる歴史を持ち、国鉄分割民営化後の1987年4月1日、JR貨物が旧大宮工場の機関車部門を受け継ぐ形で発足しました。当初はJR東日本からの委託整備も行っていましたが、2002年度以降はJR東日本が自社の機関車整備を秋田総合車両センターなどに集約したため、その業務は終了しています。

その後、大宮車両所はJR貨物所属の機関車の検査・修繕・更新に注力。特に、老朽化した車両の延命措置や、新しい車両に対応した検査技術の向上に力を入れています。1988年には、国有鉄道清算事業団から購入したEF65形電気機関車の車籍を復活させる全般検査を実施するなど、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。また、近年では、EF64形やEF65形などの機関車について、全般検査時に国鉄時代の塗装に復元する取り組みも行われました。

業務内容

大宮車両所は、主にJR貨物関東支社、東海支社の電気機関車とディーゼル機関車の検査・修繕・更新を担っています。検査・修繕は車体・電気機器の2つの部門に分かれ、さらに複数の班で業務を分担することで効率的な作業を実現しています。具体的には、車体外装、台車、電気機器、空気ブレーキ、塗装など、機関車のあらゆる部分の整備を網羅しています。一部の検査や塗装は外部委託も行われています。

検査体系

検査体系は機関車の形式によって異なり、重要部検査や全般検査、台車検査など、それぞれに定められた周期で実施されます。電気機関車の場合、新形式のEH200形、EH500形、EH800形と、従来形式のEF64形、EF65形では検査周期が異なります。また、ディーゼル機関車も、新形式のHD300形と従来形式で周期が異なります。各形式の検査は、所属区所で行われるものと、大宮車両所で実施されるものがあり、大宮車両所では主に全般検査が中心となっています。従来形式の機関車については、2017年以降、検査を終了している形式もあります。

整備済み車両の表示

大宮車両所で整備された車両には「大宮車」または「OM」の略号が車体に記されます。

検査対象車両

大宮車両所では、関東支社所属の車両を中心に検査を実施しており、EH200形、EH500形、EH800形などの電気機関車や、HD300形などのディーゼル機関車の他、M250系電車なども検査対象となっています。過去にはEF64形、EF65形、ED75形、DE10形、DE11形、DD51形なども検査を行っていましたが、老朽化や車両更新計画により、現在は検査対象から外れています。

保存車両

過去にはED62 17など数両の機関車が所内で保存されていましたが、現在は保存車両はありません。

周辺環境

大宮車両所は、鉄道博物館や毎年開催される「鉄道のまち大宮 鉄道ふれあいフェア」の会場の近くに位置しています。一般公開イベントでは、多くの鉄道ファンが訪れ、車両所の活動に触れる機会を提供しています。

まとめ

JR貨物大宮車両所は、長年の歴史と高度な技術を持つ、日本を代表する機関車整備工場です。今後も、JR貨物の安全・安定輸送を支える重要な役割を担っていくことでしょう。

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