大島映二

大島映二：プロレス愛と将棋人生の軌跡

大島映二八段は、1957年生まれの将棋棋士です。東京都品川区生まれ、静岡県沼津市出身、高柳敏夫名誉九段門下で、棋士番号は130番。10歳頃に新聞の将棋欄に興味を持ったことがきっかけで将棋を始め、プロ棋士としてはやや遅咲きのスタートとなりました。

1971年、14歳で奨励会に入会。地道な努力を重ね、1976年、19歳でプロ棋士となる快挙を成し遂げます。若手棋士の登竜門である若獅子戦では、1980年度の第4回大会で優勝という栄光を掴みました。これは大島八段にとって、初めての棋戦優勝という大きな成果となりました。

順位戦では、1977年度の第36期C級2組から参加。長らく昇級も降級もなく活躍を続けましたが、1995年度の第54期順位戦では、最終局まで昇級圏内を争う接戦を繰り広げました。しかし、惜しくも昇級を逃し、以降は順位戦で苦戦が続きました。1997年度、2002年度、2004年度と降級点を喫し、最終的にフリークラスに転落。2015年3月12日、フリークラス引退規定により引退を迎えました。しかし、その後、引退棋士昇段規定により2020年4月1日に八段に昇段しました。

大島八段の将棋人生は、順風満帆とは言い難い道のりでした。順位戦での苦闘は、彼の棋士としての粘り強さと不屈の精神を示すものでした。しかし、その一方で、彼は独特の個性と才能を持っていました。

趣味は多岐に渡り、ラテン音楽、特にブラジル音楽のサンバチームに所属していた経験や、俳句では1999年秋の「第7回読売全国俳句大会」で一般部門・選者特選を受賞するなど、幅広い才能を発揮しています。また、筋金入りのプロレスマニアとしても有名で、特に悪役レスラーを好んでおり、若手時代にはプロレス観戦のためにビデオデッキを購入し、自宅に棋士仲間や連盟職員を集めてプロレスビデオ鑑賞会を開くなど、独特のエピソードを残しています。

大島映二八段は、将棋棋士として、そして一人の人間として、数々の経験を積み重ね、独特の個性と魅力を持った棋士でした。彼の波乱に満ちた人生は、多くの将棋ファンに感動と勇気を与え続けています。

昇段履歴

1971年：奨励会入会（7級）
1974年：初段
1975年：三段
1976年10月1日：四段（プロ入り）
1984年4月1日：五段
1989年8月22日：六段
2000年3月6日：七段
2015年3月12日：引退
2020年4月1日：八段（引退棋士昇段規定）

主な成績

棋戦優勝：若獅子戦（1980年度）

受賞歴

* 現役勤続25年表彰（2001年）

大島映二八段の棋士人生は、華々しい優勝経験と順位戦での苦闘、そして多彩な趣味と個性的な一面が織りなす、ドラマチックな物語です。彼の将棋への情熱と、人生を楽しむ姿勢は、これからも多くの人々に記憶されることでしょう。

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