大崎市立岩出山中学校

大崎市立岩出山中学校：革新的な校舎と歴史

大崎市立岩出山中学校は、宮城県大崎市岩出山地区に位置する公立中学校です。1996年、岩出山町内の岩出山中学校、真山中学校、一栗中学校の3校が統合され、新たな歴史を刻みました。 この統合によって誕生した学校は、単なる学校の枠を超えた、先進的な教育環境と建築デザインで知られています。

風の翼とユニークな校舎設計

本校の最大の特徴は、なんといっても山本理顕氏設計による校舎です。校舎と体育館の間にそびえ立つ巨大な湾曲壁は、「風の翼」と名付けられ、外観上の美しさだけでなく、実用的な機能も備えています。北風の防風効果はもちろん、太陽光の反射を利用することで、校舎上部への採光を最大限に高める設計となっています。

教室は、一般的なホームルーム形式ではなく、生徒ラウンジを拠点として、授業ごとに国語・英語、数学・理科、社会・技術家庭の3系統に分かれた教室へ移動するシステムです。各系統の教室は校舎南側に配置され、メディアギャラリーと呼ばれる吹き抜けの広い廊下で繋がっています。この廊下からは、教室内の授業風景を見渡すことができ、また、廊下から各系統の研究室（職員室）もガラス越しに見える開放的な設計です。音楽と美術の教室は、渡り廊下で繋がる独立した芸術棟に配置されています。

この独特な校舎設計は、建築設計競技で選ばれたもので、審査委員長は六角鬼丈氏、参加者には北川原温氏も名を連ねています。完成後には、1996年度東北建築賞作品賞を受賞するなど、高い評価を獲得しました。

学校の歴史と周辺環境

1996年の開校以来、大崎市立岩出山中学校は地域社会の中核を担ってきました。2006年の市町村合併に伴い、校名も現在の名称となりました。JR陸羽東線有備館駅から徒歩10分の場所に位置し、アクセスも良好です。学区は旧岩出山町区域となります。

著名な卒業生

本校は、地域社会に貢献する多くの卒業生を輩出しています。その中には、日本山岳協会最高顧問を務めた伊達篤郎氏（仙台藩士会会長、伊達政宗の末裔）や、元岩出山町長で宮城県議会議員も務めた佐藤仁一氏、東京大学名誉教授の荒川忠一氏など、各界で活躍する人材が名を連ねます。また、プロバスケットボール選手として活躍する宍戸治一氏（元U-18日本代表、富山グラウジーズ所属）や、東京ヤクルトスワローズの今野龍太氏など、スポーツ界でも活躍する卒業生もいます。

まとめ

大崎市立岩出山中学校は、革新的な校舎設計と、地域社会に貢献する卒業生を輩出する歴史を持つ学校です。「風の翼」が象徴する、開放的で先進的な学習環境は、未来を担う生徒たちの育成に大きく貢献していると言えるでしょう。 今後も、地域社会の発展に寄与する人材育成に尽力していくことが期待されます。

もう一度検索