大成丸 (4代)

大成丸（たいせいまる）

大成丸は、海技教育機構が保有する航海練習船で、内航貨物船の特性を踏まえた設計がなされています。この記事では、2014年就航の4代目大成丸について詳しく紹介します。

船歴

大成丸は、3代目大成丸の後継として、三井造船玉野事業所において建造されました。2014年3月31日に竣工され、就航を開始しています。大成丸の内部には、2代目大成丸から引き継いだ初代大成丸の銘鈑が展示されており、歴史的なつながりを感じさせます。

設計

船体

大成丸は内航用練習船として設計されており、内航貨物船の主要航路や港湾での訓練を目的としています。そのため、船体のサイズはおおよそ1,000トン型内航貨物船と同じくらいに設定されています。また、他の練習船とは異なり、操縦しやすさを考慮して船橋が船体の中部に配置されています。これにより、実際の内航船と同様の視界や操縦感覚を体感しやすくなっています。

機関

先代の大成丸は蒸気タービンによる推進方式でしたが、本船は新潟原動機の6MG34HXディーゼルエンジンを搭載しています。このエンジンは、国際海事機関（IMO）のNOx規制をクリアしており、低燃費かつ環境に優しい仕様です。これにより、海技教育機構のすべての汽船練習船がディーゼル推進となったのです。

練習設備

船橋は航海用と実習用の2層構造になっており、多機能ディスプレイが装備されています。この構造により、当直航海訓練が行いやすく、機器の配置やスペースも訓練を重視して設計されています。実習船橋の方には、舵輪や多機能ディスプレイがあり、ここでも単独当直訓練が可能です。

さらに、航海シミュレーターも設置されており、実践的な技能の習得を支援しています。教育環境としては、成績の向上に寄与するための教室も充実しています。第1教室は食堂と図書室を兼ねており、146人を収容できます。一方、第2教室は120人収容可能で、分割して2種類の研修を同時に行うことができます。

また、後甲板は実習や体操に利用され、木甲板風の塗装が施されており、実際の船舶体験を重視した設計となっています。

結論

大成丸は、ただの練習船ではなく、未来の海技士を育成するための重要な役割を担っています。内航貨物船に合わせた設計や実践的な訓練設備により、実際の航海で必要となる技術を習得できる場を提供しています。

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