大日本人

映画『大日本人』

『大日本人』（だいにっぽんじん）は、2007年6月2日に公開された日本の映画で、ダウンタウンの松本人志が企画・監督・主演を務めた作品です。この作品は、松本にとって初めての長編監督作であり、吉本興業の映画製作進出第1弾として位置づけられています。映画の脚本は、松本の親友であり放送作家の高須光聖と共同で執筆されています。さらに、本作は第60回カンヌ国際映画祭の監督週間にて上映され、カメラ・ドール候補に選ばれたことでも話題を呼びました。

概要

『大日本人』は、松本が演じるヒーローの変身日常やその戦いをドキュメンタリー風に描いたモキュメンタリー映画です。特撮怪獣ものとは異なり、普通の人間が巨大化し、獣と呼ばれる生物と戦う姿や、その過程での悩みや周囲の反応に主眼が置かれています。作品内では、巨大キャラクターは「だいにほんじん」として一貫して呼称されていますが、タイトルの正式な読みは「だいにっぽんじん」となっています。松本自身は、この読み方について「どちらでも良い」とコメントしています。

あらすじ

主人公の大佐藤大は「大日本人」と呼ばれる存在で、代々続く家業として日本国内に出現する巨大生物「獣」を退治する役割を担っています。物語は、大佐藤がテレビ局の密着取材を受けながら、獣と戦う日常を描写するところから始まります。しかし、現代の世間では大日本人の必要性が疑問視され、大佐藤は私生活でも妻子との別居や跡取り問題、さらにかつての英雄である祖父の介護問題に悩まされています。これらの苦悩の中、彼は獣退治を続けますが、未知の赤い獣が現れ、強大な力に恐れをなして逃げ出してしまいます。この姿は皮肉にも高視聴率を記録し、取材ディレクターが再戦を提案しますが、大佐藤はその気になれずにいます。今後も、彼の周囲には多くの試練が待ち受けています。

主要キャスト

• - 大佐藤大（6代目大日本人）：松本人志
• - 小堀マネージャー：UA
• - 取材ディレクター：長谷川朝二
• - 締ルノ獣：海原はるか
• - 跳ルノ獣：竹内力
• - 匂ウノ獣（メス）：板尾創路
• - 童ノ獣：神木隆之介
• - 匂ウノ獣（オス）：原西孝幸
• - ステイウィズミー：宮迫博之
• - スーパージャスティス：宮川大輔
• - 大佐藤の元妻：街田しおん

スタッフ

• - 企画・監督：松本人志
• - 脚本：松本人志、高須光聖
• - 音楽：テイ・トウワ
• - 制作：吉本興業
• - 配給：松竹

公開までの経緯

映画は2005年12月から2006年8月にかけて撮影され、2007年1月に製作発表が行われました。松本は『笑っていいとも』に出演し、制作秘話やカンヌでの経験を語りました。また、カンヌ国際映画祭では松本がすでに帰国していた中での上映となり、北野武との会食でアドバイスを受けたことも知られています。

評価

公開直後の2日間で、15万6,700人を動員し、興行収入2億2,691万円を記録しました。また、第8回ビートたけしのエンターテインメント賞で話題賞を受賞し、一方で最低監督賞を受賞するなど、評価は賛否が分かれました。一部の評論家からは「日常の中の虚構性を描いた作品」との評価を受けています。

まとめ

『大日本人』は、松本人志のユニークな視点から描かれた、ヒーローの苦悩と現実を映し出す作品です。観る者に笑いと興奮を提供しつつ、ヒーロー像を再考させる映画として、日本[[映画]]界に新たな一歩を踏み出しました。

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