大日本婦人会

大日本婦人会の歴史と活動

大日本婦人会は、太平洋戦争中の日本において重要な役割を果たした女性団体であり、1942年に設立されました。その目的は、日本の伝統的な婦道を強化し、家庭や国防のために国民の意識を高めることでした。この団体は、第二次世界大戦前に存在したさまざまな婦人団体を一つに統合する形で創設されました。

設立の背景

日本における女性団体の歴史は、1901年の愛国婦人会の設立にさかのぼります。その後、1931年に設立された大日本連合婦人会や、1932年に発足した大日本国防婦人会など、各省庁が主導する多様な団体が次々に現れました。1941年、第76議会において陸軍主導で婦人団体の統合が提起され、関係者による協議が行われました。

その結果、1941年6月10日に閣議決定された要綱に基づいて、新たな女性団体の目的は「婦道の修練」「家庭生活の整備」「国防訓練」の三本柱に定められました。このような背景の中、大政翼賛会が中心となって設立準備が進められ、1942年に大日本婦人会が正式に発足しました。

活動内容

大日本婦人会の活動は、戦時体制の中で女性の役割を強調し、国家総力戦への協力を促進するものでした。「国防思想の普及」「家庭生活の整備刷新」「訓練の必要性」など、各種の活動を展開しました。会員資格は、未婚で満20歳未満の女性を除く全ての女性となり、年会費60銭が設定され、政府からの補助金も受け取っていました。

また、団体の機関誌『日本婦人』が発行され、定期的に情報や活動報告が行われました。大日本婦人会は、陸軍省、海軍省、内務省、文部省、厚生省、拓務省の共同所管下にあり、政府機関との密接な連携が求められました。

さらに、1942年10月には「大日本婦人会歌」が制定され、戸倉ハルによる振り付けのダンスも作られるなど、活動は多岐にわたりました。

解散とその後

戦局が進展する中、1945年3月24日に国民義勇隊の編成が閣議決定され、大政翼賛会の解散が告げられました。これにより、大日本婦人会も6月13日に解散し、その活動を国民義勇隊女子隊に指導部として改組されました。

このように、大日本婦人会は太平洋戦争期における日本の女性の社会的役割を強調し、家庭生活や国防の強化に寄与した団体であったことが分かります。

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