大曲工業団地

大曲工業団地は、北海道北広島市大曲地区に広がる大規模な工業集積地です。単に大曲工業団地と呼ばれる地域に加え、後から整備された大曲新工業団地、そして大曲第3工業団地を含めた総称としても扱われます。北海道のほぼ中央、道央圏の中心部に位置しており、その立地条件の良さから多くの企業が進出しています。

概要と地理的優位性

この工業団地は、道央自動車道、国道36号線、そして羊ケ丘通といった主要な広域幹線道路が近接または通過しており、交通の結節点としての利便性が非常に高いのが特徴です。特に、北海道最大の都市である札幌市中心部と、道内だけでなく国内外への玄関口である新千歳空港を結ぶライン上に位置するため、物流拠点や広域営業拠点として極めて有利な条件を備えています。周辺には、インターヴィレッジ大曲や三井アウトレットパーク札幌北広島といった大型商業施設が集積しており、生活関連の利便性も高いエリアです。また、近隣には北広島輪厚工業団地もあり、産業集積が進んでいます。

各団地の開発経緯

最初に開発された大曲工業団地は、1969年（昭和44年）に民間主体によって整備されました。その後に、既存団地のすぐ近く、後背地に造成されたのが大曲新工業団地です。この新工業団地の分譲においては、北広島市が進出を希望する企業の具体的な要望を事前に聞き取り、それに合わせて区画を造成・分譲する「オーダーメイド方式」という手法を北海道で初めて導入したことで注目を集めました。さらに、大曲新工業団地の北西側に位置するのが大曲第3工業団地です。このエリアには、地域住民の交流施設である北広島市大曲ふれあいプラザや、つつじヶ丘公園といった公共施設や緑地も整備されています。

企業誘致への取り組みと沿革

北広島市では、企業誘致を積極的に推進するため、北海道や札幌市とも連携し、進出企業に対する優遇措置を設けています。

工業団地の開発を含むこの地域の発展は、北海道における産業振興の歴史と深く関わっています。主な沿革は以下の通りです。

1964年（昭和39年）: 当時広島村だった北広島市を含む道央地域が、「新産業都市」の建設区域に指定され、企業誘致が本格化します。これを機に、第一号の誘致企業として北海道車体工業（現在の北海道車体）が進出しました。
1968年（昭和43年）: 広島村が町制を施行し、広島町となりました。
1969年（昭和44年）: 大曲工業団地の開発が始まりました。
1973年（昭和48年）: 広島町土地開発公社（現在の北広島市土地開発公社）が設立され、公共による土地開発・管理体制が強化されました。
1988年（昭和63年）: 大曲新工業団地の分譲が開始されました。
1993年（平成5年）: 大曲第3工業団地の予約分譲が開始されるとともに、地元企業の連携組織である大曲商工振興会が設立されました。
1994年（平成6年）: 従来の「字大曲」の一部が再編され、「大曲中央」と「大曲工業団地」という新しい町名が誕生しました。
1996年（平成8年）: 大曲ふれあいプラザがオープンし、同年には広島町が市制を施行して北広島市となりました。
2001年（平成13年）: 大曲工業団地と札幌市美しが丘を結ぶ羊ケ丘通（北海道道1147号大曲工業団地美しが丘線）が開通し、アクセス性がさらに向上しました。

交通アクセス

大曲工業団地は、多様な交通手段へのアクセスに優れています。

空港: 24時間運用されている新千歳空港が至近距離にあります。
高速道路: 道央自動車道の北広島インターチェンジや、24時間運用可能な輪厚スマートインターチェンジが利用可能です。
一般国道: 国道36号線が通っています。
一般道道: 北海道道790号仁別大曲線、北海道道1147号大曲工業団地美しが丘線などが周辺を通っています。
港湾: 主要な港湾としては、中核国際港湾・国際拠点港湾である苫小牧港、重点港湾の石狩湾新港、重要港湾の小樽港といった北海道の主要港へのアクセスも良好です。

このように、大曲工業団地は恵まれた立地と開発経緯を持ち、道央圏の産業を支える重要な拠点の一つとなっています。

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