大木民夫

大木民夫とは

大木民夫（おおき たみお、1928年1月2日 - 2017年12月14日）は、日本の著名な声優、俳優、ナレーターです。彼はマウスプロモーションに所属し、長年にわたり声優業界で活動を続け、多くのファンに深い印象を残しました。その声は世代を超えて親しまれ、さまざまなアニメや洋画の吹き替えに登場しました。

主な出演作

大木氏は数多くの人気作品に出演しています。特に有名なのは『X-MEN』シリーズでのプロフェッサーX役や、『フランダースの犬』のコゼツ旦那、そして『攻殻機動隊』の荒巻大輔役です。また、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望|スター・ウォーズ エピソード4_新たなる希望』ではターキン総督の声を担当し、その威厳ある語りは多くの観客に印象づけられました。アニメ作品では『あしたのジョー2』での白木幹之介会長、『トップをねらえ!』のタシロ艦長など、多くの重要なキャラクターを演じました。

来歴

東京府（現在の東京都）で生まれた大木は、1946年にNHK放送劇団第2期の研究生として演劇界に足を踏み入れました。その後、ラジオ東京放送劇団や東京俳優生活協同組合を経て、1972年に江崎プロダクションへと移籍しました。このプロダクションでの活動を通じて、彼は声優として確固たる地位を築くことになります。

戦後の際、彼は若者としてナチスの高官を歓迎するために日の丸の旗を振った経験があるなど、歴史的な背景を持つ人物でもありました。彼のキャリアのスタートはラジオドラマやテレビドラマが中心であり、なかでも特撮時代劇「猿飛佐助旅日記」では主演を務めました。

声優としての特色

大木民夫はアテレコ草創期から活動しており、初期は主演が多かったものの、次第に脇役へと回ることで重要なキャラクターを演じるようになりました。声質は太くないものの、彼の話し方には威厳があり、権力者や重要キャラクターを演じることが多くありました。特に、B級映画などにも出演し、その威厳ある表現で作品の質を向上させることに寄与しました。

洋画ではランドルフ・スコットやロバート・デュヴァルなど多くの特異なキャラクターを吹き替え、その演技力は高く評価されています。さらに、ディズニー作品にも多く関与し、幅広いファン層を獲得しました。

プロ意識と晩年

80歳を超えた彼もなお精力的に活動を続け、新海誠監督の『星を追う子ども』や細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』といった作品にも参加。在りし日の彼は、高齢にもかかわらず座りながらの収録を行うほど、仕事への情熱を失っていませんでした。

2017年12月14日に亡くなった際、彼の死はその影響力とされる多くの声優やスタッフに惜しまれました。その功績を称え、第12回声優アワードでは特別功労賞が贈られました。

趣味とパーソナリティ

大木氏は書道に大きな関心を持ち、家庭では妻が書道教室を運営していました。また、オペラにも深い造詣があり、その豊かな知識は生涯にわたって培われたものでした。声優業に対する彼の姿勢はプロフェッショナルそのものであり、常に全てを大切にする姿勢を貫いていました。彼の声優業におけるエピソードや共演者たちからの評価からは、彼が持つ人望の高さも伺えます。

最終的に、彼は「どの年齢になられても、ベーシックな声優のやらなきゃいけないことを全部完璧にやってくる」と評されるほど、その仕事に対する誠実さは特筆すべきものです。大木民夫の遺した声がこれからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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