大橋祐二

大橋 祐二

1983年9月5日生まれ、埼玉県出身。日本の元陸上競技選手で、主に110メートルハードルを専門としました。特に、高校時代に日本人高校生として初めて13秒台という快挙を達成し、当時の高校記録保持者となったことで知られています。引退後は教育者として次世代の指導にあたっています。

経歴

さいたま市立大久保中学校、埼玉県立浦和高等学校を経て、筑波大学を卒業しました。大学卒業後はミズノに入社し、競技を続けながら筑波大学大学院で修士課程を修了しています。ミズノ退社後、帝京平成大学での勤務を経て、現在は日本女子体育大学の健康スポーツ学科でスポーツ方法学（陸上競技）の准教授を務めています。

競技者としての歩み

学生時代

中学時代に110メートルハードルに取り組み始め、3年生の時には全日本中学校選手権で8位に入賞しました。高校に進学してからも着実に成長を続け、1年生で14秒77（+1.5）の当時高校1年生最高記録、2年生では14秒30（+0.7）をマークし、当時の高校2年生歴代2位の記録を樹立しました。そして高校3年生の2001年、インターハイの110メートルハードル決勝で、-0.1メートルの向かい風の中で13秒98を記録しました。これは、高校生としては史上初の13秒台であり、当時の高校記録を更新する偉業でした。この記録でインターハイ初優勝を飾りました。

2002年春に筑波大学へ進学後もその勢いは衰えず、2年生の時には高校時代の自己ベストを上回る記録をマークし、日本インカレでの優勝を果たすなど、学生トップレベルの選手として活躍しました。大学卒業までに自己ベストを13秒57（-0.1）まで伸ばし、これは当時、日本歴代3位、学生歴代2位に位置する記録でした。

社会人時代

2006年春にミズノに入社し、プロアスリートとしてのキャリアをスタートさせました。2007年7月の南部記念110メートルハードルでは、追い風2.0メートルの条件で13秒55を記録しました。この記録は当時の日本歴代3位にランクインし、同年の大阪世界選手権と翌2008年の北京オリンピックの参加標準記録A（いずれも13秒55）を突破するものでした。しかし、2007年の世界選手権には既に標準記録Aを突破している選手が3名おり、また大橋選手自身も代表選考会となる日本選手権で5位にとどまったため、出場は実現しませんでした。

2008年3月には、スペインのバレンシアで開催された世界室内選手権の60メートルハードルに出場し、シニアとしては初めて世界最高峰の舞台を経験しましたが、予選で敗退となりました。同年6月の日本選手権110メートルハードルでは、予選を13秒71（-0.7）、準決勝を13秒83（-3.4）と、それぞれ全体トップのタイムで順調に決勝へ進みました。しかし、決勝では13秒83（-0.2）の記録で3位となり、優勝選手とはわずか0秒17差、2位選手とは0秒10差という僅差で、北京オリンピックの参加標準記録を突破していながら、惜しくも日本代表の座を逃しました。

2014年春にミズノを退社し、競技キャリアに区切りをつけました。

引退後

競技生活からの引退後、帝京平成大学で助教として教育・研究の道に進みました。現在は日本女子体育大学で准教授として、陸上競技を中心としたスポーツ方法論に関する研究教育に携わっています。自身の豊富な競技経験を活かし、後進の指導にあたっています。

人物・エピソード

本人は自身のスプリント能力について、あまり高くないと自己分析しています。その理由の一つとして、走る際に膝が通常より高く上がりすぎるという癖を挙げています。中学2年生の時に陸上競技部の顧問が転勤し、練習方法が分からず困った経験から、月刊陸上競技に掲載されていたトレーニング講座を参考にしていたというエピソードがあります。また、高校3年生で史上初の13秒台（13秒98）を記録した際、当時の実力からすると少し出来すぎたタイムだったと感じており、今後も記録を更新できるか不安に思った時期もあったと語っています。

自己ベスト記録：110mハードル 13秒55（+2.0、2007年）

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