大気イオン地震予測研究会e-PISCO

特定非営利活動法人大気イオン地震予測研究会e-PISCO

特定非営利活動法人大気イオン地震予測研究会e-PISCO（通称：イーピスコ）は、自然環境から得られるデータをもとに地震の予測を行うことを目的としたNPO法人です。この組織は1997年に設立され、2004年に特定非営利活動法人として正式に認可されました。設立当初は「地震危険予知プロジェクトPISCO」という名称で活動をスタートしましたが、その後、活動内容の拡張に伴い、現在の名称に改名されました。初代理事長を務めたのは弘原海清教授（故人）で、現在は矢田直之准教授が理事長として団体の運営を行っています。

活動の目的と方法

e-PISCOは、市民からの情報提供を積極的に受け入れており、その中でも自然観察やフィールド科学に基づいた宏観異常情報を重要なデータとして扱っています。これらの情報を基に、大気イオンの変化を追跡し、地震の発生リスクを事前に警告することを目指しています。具体的には、日本全国に設置された17基の大気イオン計測機器を使用し、24時間体制で大気イオンの濃度をモニタリングしています。このデータは一般にも公開されており、急激な変化が観測された場合には警戒情報も出されます。

例えば、2013年には大気イオンの急上昇を感知し、淡路島周辺での大地震を予測した結果、実際にマグニチュード6.3の地震が発生することとなりました。このような成功例はあるものの、文部科学省の見解によれば、未だ評価が不十分であるとされています。

事業所と研究活動

本団体の事業所は神奈川県厚木市に位置しており、神奈川工科大学内に設置された矢田研究室が拠点となっています。ここでは高精度で小型の大気イオン濃度測定器の研究開発や、様々な測定地点でのデータ収集・解析が行われています。また、広域測定地点の選定や設置作業についても積極的に取り組んでいます。これらの活動成果は一般の人々に向けて広く普及され、啓発につながることが期待されています。

役員とメンバー

e-PISCOの理事長は矢田直之（神奈川工科大学准教授）が、そして副理事長は新井典夫が務めています。その他にも、高知工科大学の川原村敏幸助教を含む多くの研究者が理事として名を連ねており、それぞれの専門分野から貢献をしている計画です。団体内では非常に多様な知見が集まっており、地震予測に向けた研究が進められています。

大気イオン測定点について

測定点は日本各地に点在しており、正規測定点と補助測定点から構成されています。正規測定点には岡山や神奈川、静岡などがあり、これらの地点で得られるデータは地震予測の精度向上に寄与しています。補助測定点もまた、地域の特性を活かしながら大気イオンの計測を行う重要な役割を果たしています。

メディアにおける取り上げ

e-PISCOは、これまで数多くのメディアで取り上げられており、地震予知の可能性や大気イオンの変動に関する研究は多くの注目を集めています。地震前の動物行動や自然現象についての研究は、一般市民の地震への備えに寄与しているとされています。

今後もe-PISCOは、自然環境からの情報を活用し、地震予測の精度を高めることを目指して活動を続けていくことが期待されています。

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