大河内城の戦い

大河内城の戦いについて

大河内城の戦い（おかわちじょうのたたかい）は、戦国時代の永禄12年（1569年）に伊勢国の大河内城で織田信長と北畠具教・具房親子との間で繰り広げられた戦闘です。この合戦は、織田信長の伊勢国制圧の試みと、それに抵抗する北畠家との対立が引き起こしたものであり、歴史的な重要性を持つ出来事となりました。

合戦までの経過

1567年、織田信長は北伊勢において敵対者たちを降し、多くの土地を手中に収めていました。しかし、南伊勢の五郡を支配する北畠家との緊張関係は続いており、当主・北畠具房は名目上の地位にありながら、実権は隠居した前当主・北畠具教が握っていました。1569年5月、北畠家の木造城主である木造具政が織田方に転じ、信長側に加わることとなりました。

同年5月12日、北畠軍は木造城を攻撃しますが、織田側の援軍が現れ、木造城は抵抗を示しました。その後、織田軍は岐阜を出陣し、8月23日に木造城に到着しますが、北畠軍は大河内城とその支城に約1万6千の兵を分散させて籠城していました。

開戦からの展開

8月26日、織田軍の木下秀吉が阿坂城を攻略し、勝利を収めます。信長はその後、他の支城を放置して大河内城に向かいます。彼は8月28日に大河内城を包囲し、周囲に鹿垣を張り巡らせました。9月8日に信長は夜襲を指示しましたが、悪天候により作戦は失敗に終わり、翌日には兵糧攻めを決行。滝川一益に指示し、周辺の城を焼き討ちして住民を大河内城へ追い込みました。

合戦は続きましたが、最終的には10月3日に織田家と北畠家の間で和睦が成立します。和睦の結果、信長の次男が北畠家の養嗣子となり、大河内城は信長側に明け渡されました。このように、織田側が有利な条件を手に入れた結果、北畠家は霧山城や坂内城へと移動を余儀なくされました。

合戦の影響

大河内城を明け渡した後、北畠家の具教と具房は球磨を離れましたが、実権は依然として4年以上続きました。また、信長との戦いにおいて北畠氏の優位性が薄れつつあったことや、足利義昭との関係悪化を招いた出来事でもあり、後の歴史にも影響を及ぼしました。

この戦さは、戦国時代の権力争いの激しさを物語っており、当時の政治情勢を知る上で非常に重要な出来事となっています。

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