大沼邦彦

大沼邦彦氏は、1946年12月4日に生まれた日本の技術者であり、多方面で活躍した実業家です。茨城県出身で、日立グループにおいて長年にわたり要職を歴任し、特にビルシステムや自動車関連事業の発展に貢献しました。品質管理の分野でも重要な役割を果たし、その功績が認められています。

大学では千葉大学工学部電気工学科に学び、1971年に卒業後、同大学院で修士課程を修了しました。その後、日立製作所に入社し、技術者としてのキャリアをスタートさせました。

日立製作所では、まず1990年に大みか工場にて電子制御装置設計部長を務めるなど、技術開発の現場で経験を積みました。1995年には水戸工場の副工場長に就任し、工場の運営にも関わるようになります。さらに、1999年には昇降機グループの水戸昇降機本部長、翌2000年にはビルシステムグループの水戸ビルシステム本部長を歴任し、ビルシステム事業の中核を担う責任者となりました。

2001年には、日立グループにおけるビルシステム事業を統括する日立ビルシステムの代表取締役社長に就任します。社長として、同社の経営と事業戦略を指揮しました。

日立ビルシステム社長を務めた後、2005年には日立製作所本体に戻り、執行役常務として都市開発システムグループ長兼CEOに就任しました。翌2006年には執行役専務に昇進し、引き続き都市開発システムグループ長兼CEOを務めると同時に、電動力応用統括推進本部長も兼任するなど、日立製作所の主要事業を統括する立場となります。

2007年には日立製作所の代表執行役執行役副社長に昇進し、グループ全体の経営に深く関与しました。2008年には代表執行役執行役副社長としてコンシューマ事業グループ長兼CEOも兼任し、幅広い事業分野の責任者となりました。この時期には、品質管理分野における貢献も評価され、日本品質管理学会の会長も務めています。

2009年には日立製作所の理事となり、同年に日立オートモティブシステムズの代表取締役社長に就任しました。自動車関連事業の経営を率い、2013年には代表取締役会長、2016年には取締役会議長を務めるなど、日立グループの自動車部品事業の発展に尽力しました。

日立オートモティブシステムズを退任した後も、日立オートモティブシステムズのコーポレートアドバイザーや、母校である茨城大学の経営協議会委員を務めるなど、社会貢献を続けています。また、2019年にはビークルエナジージャパンの取締役にも就任しています。

長年にわたる技術開発、事業経営、品質管理への貢献が認められ、2018年にはデミング賞本賞を受賞しました。これは、企業や個人の総合的な品質管理活動に対して与えられる、極めて権威ある賞です。

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