大津市立皇子山中学校

大津市立皇子山中学校

大津市立皇子山中学校（おおつしりつおうじやまちゅうがっこう）は、滋賀県大津市尾花川に位置する、公立の中学校です。一般には「皇中」という愛称でも親しまれています。この学校の歴史は1947年にさかのぼり、その年の4月21日に大津市立長等志賀中学校として設立されました。1949年に大津市立第一中学校と改称し、同年に現在の名称へと変更されました。

校地面積は30,734 m²で、校舎の面積は7,595 m²、運動場の面積は13,200 m²です。最初の通学区域は長等小学校と志賀小学校が含まれていましたが、後に藤尾小学校及び比叡平小学校の校区が加わりました。その後、1977年には唐崎中学校が新設され、通学区域の一部が変更されています。

この地域名である「皇子山」は古名が「王子」で、壬申の乱（672年）に関連した由来があるとされています。「尾花川」という地名は、その南を流れる河川にも由来し、かつてはススキが生い茂っていたことからつけられました。戦後すぐには進駐軍が周辺に駐留し、社会環境が乱れる中、1950年には珍しい純潔教育（性教育）の実践も始まっています。これは生徒への悪影響を軽減する狙いもありました。

しかし、教育環境は一時、校内暴力や非行が増加するなど厳しい状況にも直面しました。1988年には新たな校長が就任し、生徒たちの自主性を育むためにボランティア活動や修学旅行の自由行動日を設けるなどの工夫が行われました。2013年度には、「学びの共同体」学習法を導入し、生徒の理解度を高めるため努められました。これにより授業開始時の混乱が軽減され、教育環境の改善が図られました。

また、2011年度にはいじめ自殺事件が発生し、大きな問題となりました。この事件を契機に、学校は「いじめのない学校づくり」を強化するとともに、毎年のいじめ防止基本方針作成や啓発活動を実施するようになりました。

通学区域は、戦後の様々な変遷を経て地域の多様性を反映し、学区内の生徒の約78%が徒歩で通っているものの、公共交通機関利用者も20%以上を占めています。また、学校周辺には歴史的な施設や自然環境も多く、夏には多くの鳥が観察されるエリアにもなっています。

教育に関しては、1998年には新しい校則として私服登校の試験的導入も行われ、その後、学校生活に応じた適切な服装を通じ地域貢献の活動も活発に行われています。整備された環境での学びを重視し続ける姿勢が、現在も評価されています。部活動も充実しており、様々な運動部や文化部が存在し、地域コミュニティとの連携も進んでいます。

このように、皇子山中学校は教育課題に真摯に向き合い、地域と共に成長する学校としての経験を重ねています。生徒たちが安心して学べる環境を整え、生涯にわたる学びへと導く努力は、今後も継続していくことでしょう。

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