大清河

大清河は、中華人民共和国の華北地方を流れる重要な河川であり、海河の支流の一つです。その源流は、太行山脈の東麓に位置する白溝河に遡ります。

大清河の源流

北側の源流となる白溝河は、さらに北拒馬河と小清河が合流して形成されます。北拒馬河は、北京市房山区張坊鎮で拒馬河が二つに分流したうちの一つであり、淶源県から東へと流れてきます。一方、小清河は房山区の中心部から南へと流れます。

白溝河は、高碑店市白溝鎮の南、雄県の新蓋房において、南拒馬河（拒馬河のもう一つの分流）と合流し、この合流地点から大清河と名を変えます。白溝河の支流には、琉璃河、中易水、北易水、大石河などがあります。

南側の源流は、趙王河水系です。この水系の主な支流としては、瀑河、漕河、府河、唐河、潴龍河などが挙げられます。中でも唐河は、山西省渾源県の恒山を源とし、霊丘県を経て淶源県へと流れる全長273kmの大きな河川です。

これらの支流は、安新県に位置する白洋淀という湖で合流し、さらに大清河へと流れ込みます。

海河への合流と流量調整

大清河は、天津市西青区の楊柳青站で子牙河に合流し、最終的には海河へと流れ込みます。流域の降水量は年間を通してあまり多くなく、雨の降る時期も限られているため、大清河の流量は年によって大きく変動します。雨が多い時期には、河川の水量が急激に増加し、しばしば洪水を引き起こします。

白洋淀や東淀などの湖は、水量調整の役割を果たしていますが、下流の天津市などに大清河が洪水被害をもたらす可能性もあります。そのため、中華人民共和国政府は、白洋淀からまっすぐ東へと向かう趙王新河や独流減河などの放水路を建設しました。これらの放水路は、大清河の水のほとんどを渤海へと流しています。

大清河は、華北地域の水資源として重要な役割を担う一方で、その流量の変動の大きさから、治水対策が重要な課題となっています。

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