大滝神社 (福山市)

大滝神社の紹介

大滝神社（おおたきじんじゃ）は、広島県福山市新市町上安井に位置し、自然豊かな環境と霊的な文化を持つ神社です。この神社は特に名水スポットとして有名で、観光客や地域の人々に親しまれています。

祭神

大滝神社の主祭神は少彦名命であり、水に関連する神である高龗神も祭っています。少彦名命は医学や温泉と関係が深く、多くの人々に癒しを与えてきた神として信仰されています。一方、高龗神は水の神としての象徴であり、この神社の名水の恵みを運んでいます。

境内の特色

神社の境内は豊かな自然に囲まれており、奥には約2メートルの落差がある小さな滝があります。その滝は境内の水源となり、清らかな水が流れています。滝の脇には奥宮が祀られており、神聖な雰囲気を醸し出しています。滝の水は水路に導かれて境内を流れ、本宮の祠の上を通過しています。

なお、2018年に発生した平成30年7月豪雨では、境内が土砂に埋まってしまうという被害を受けました。本殿も土砂に覆われ、神社の自然災害の危険性を示しています。しかし、2019年3月には道路の崩壊が修復され、神社へのアクセスが可能になりました。水汲み場は土砂除去作業が行われ、2021年に復旧が完了しました。

境内では、雨が降った際に水が氾濫しないように石造りの堤防が設けられています。堤防の先には拝殿があり、そこからは水の流れを直接見ることはできませんが、静寂な空間の中で神聖なひと時を過ごすことができます。拝殿前には狛犬が鎮座し、さらに神門や鳥居が続いています。鳥居の脇には山神を祀る石造りの末社があり、神社の歴史を物語るような雰囲気を醸し出しています。

さらに、水汲み場が整備されており、遠方からも多くの来訪者が名水を汲みに訪れています。水汲み場の手前には進入路があり、参道の階段を下ると、「大滝八幡宮」という末社が見えます。

大滝の名水について

大滝神社の境内から湧き出る水は「放射能泉」として知られており、環境省によって広島県の代表的な湧水の一つに挙げられています。この湧水は身体に良い成分を含んでおり、地元住民からも長年親しまれています。

泉質は単純弱放射能冷鉱泉に分類され、以前は浴場も設けられていたという記録も残っています。特に、神辺合戦の際には尼子方の武士たちがこの湧水での湯治を行ったとの言い伝えがあります。

現在では、水質が整備され、訪れる人々がその名水を汲むために賑わっています。泉質は低張性の弱アルカリ鉱泉で、ラドン含有量は19マッヘ、硬度は52mgです。これらの成分は多様な効能があるとされ、通風、慢性消化器病、神経痛、筋肉痛、関節痛などの改善に寄与すると言われています。ただし、これらの効能は個人差があるため、万人に効果があるわけではありません。

最終的には、大滝神社は地域の文化や自然、歴史を象徴する神聖な場所として、多くの人々に愛され続けているのです。

もう一度検索