大盗賊 (1962年の映画)

映画『大盗賊』について

『大盗賊』（だいとうぞく、原題: Cartouche）は、1962年に公開されたフランスの冒険映画です。監督はフィリップ・ド・ブロカで、主演には著名な俳優ジャン＝ポール・ベルモンドが名を連ねています。この作品は実在した盗賊、ルイ・ドミニク・ブルギニヨンに基づいており、その魅力的なキャラクターと波乱万丈な物語が映画の大きな見どころです。

ストーリー

物語の舞台は1720年のパリです。若き盗賊ドミニクは、盗賊団のボスに反抗した結果、町を追われ、兵隊として新たな人生を歩み始めます。しかし、戦闘の厳しさの中で将軍たちに失望し、仲間の二人と共に兵隊たちの給料金貨を盗むことを決意します。その逃亡中、彼は美しい盗賊ベニスと出会い、互いに惹かれ合います。

その後、ドミニクはパリに戻り、捕らえられていた弟の存在を知ります。彼はボスとの戦いに打ち勝ち、弟を救出し、自らが盗賊団のボスとなることを誓います。やがて、ドミニクはベニスと結婚し、カルトーシュと名を改め、「金持ちから盗み、貧しい人々に分け与える義賊」として庶民の支持を得ることに成功します。

しかし、成功を収めたカルトーシュは次第に傲慢になり、ついには貴族である警察署長の妻イザベルに手を出そうと企てます。この背景には、彼がどのようにして力を手に入れていったのかという葛藤があります。カルトーシュの行動は、観客に対して彼の道徳的な選択や義賊としての立場について考えさせるものがあり、映画全体に緊張感を与えています。

キャストとリリース

この映画は、多くの声優や俳優が参加しているキャストが魅力です。ビクターエンタテインメントから発売された1984年のソフト版には、声優の大宮悌二、村越伊知郎、峰恵研らが名を連ねています。さらに、2021年にはブルーレイが発売され、改めてその魅力が注目されました。テレビ版は1969年の『金曜ロードショー』で初回放送され、その際には青野武や野沢雅子といった声優も参加しました。

『大盗賊』はフランスで公開された際、観客動員数は300万人を超え、映画史に名を刻む作品となりました。日本では2020年に『ジャン＝ポール・ベルモンド傑作選』として他の名作と共に再上映され、多くのファンに親しまれています。

関連項目

この映画は、フランス革命やルイ・ドミニク・ブルギニヨンに関連する他の文化的資料とも繋がりがあります。特に、1950年に公開された同名の映画『Cartouche, King of Paris』との関連性も興味深いものです。また、インターネット上でも多くの情報源が存在し、『大盗賊』に関する詳細なレビューや考察が行われています。

映画に対する印象や評価は様々ですが、壮大な冒険物語としての側面と倫理的な問いを含んだ内容が、多くの観客に印象を与え続ける理由でしょう。

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