大相撲平成29年3月場所

大相撲平成29年3月場所：稀勢の里の栄光と熱戦の記録

2017年3月12日から26日にかけて、エディオンアリーナ大阪で開催された大相撲平成29年3月場所は、新横綱・稀勢の里の活躍を中心に、多くのドラマが生まれた熱戦の舞台となりました。本稿では、この場所の模様を詳細に振り返ります。

場所前の注目点

2月27日に発表された番付では、先場所初優勝を果たした稀勢の里が新横綱に昇進。19年ぶりとなる日本出身横綱の誕生は、大きな話題となりました。さらに、17年ぶりとなる4横綱の共演も実現し、場所への期待は高まりました。また、先場所大関から関脇に陥落した琴奨菊は、10勝を目標に大関復帰を目指し、その取り組みにも注目が集まりました。

白鵬、豪栄道の休場と優勝争い

優勝争いは、場所前から右足裏の負傷を抱えていた横綱白鵬が初日に敗れるなど、波乱の展開となりました。その後も不調が続き、5日目からは右母趾捻挫と右大腿筋群損傷により休場。同じく大関豪栄道も右足関節外側靱帯損傷により6日目から休場するなど、上位力士の相次ぐ休場は、優勝争いに大きな影響を与えました。

横綱日馬富士は序盤で2敗を喫するも、終盤にかけて巻き返し10勝。横綱鶴竜は9日目まで優勝争いに絡みましたが、終盤に失速し10勝に留まりました。関脇琴奨菊は序盤に2横綱を破るなど好調でしたが、終盤の疲労からか失速し、大関復帰はなりませんでした。

稀勢の里と照ノ富士の激闘

新横綱・稀勢の里は初日から安定した相撲で連勝を重ねました。一方、関脇髙安も優勝争いに加わり、10日目を終えた時点で、稀勢の里が全勝、髙安、照ノ富士、栃煌山が1敗という展開となりました。11日目に髙安が敗れたことで、稀勢の里が単独トップに立ちます。その後も稀勢の里は連勝を続けましたが、13日目に日馬富士に敗れ、初黒星を喫し左腕を痛めました。

14日目、照ノ富士が単独トップに立ち、千秋楽は照ノ富士と稀勢の里の一騎打ちとなりました。下馬評では照ノ富士が有利と見られていましたが、稀勢の里は突き落としで照ノ富士を破り、優勝決定戦へ進出。優勝決定戦でも稀勢の里が勝利し、逆転優勝を決めました。新横綱の優勝は1995年以来22年ぶり、戦後5人目という快挙となりました。

三賞

殊勲賞は、大関豪栄道、照ノ富士を破った髙安が受賞。敢闘賞は入幕2場所目で11勝を挙げた貴景勝が初受賞しました。技能賞は該当者なしでした。

まとめ

平成29年3月場所は、稀勢の里の優勝という感動的な結末だけでなく、上位力士の休場や、優勝争いの激しさなど、多くの見どころがありました。新横綱の活躍と、それを取り巻く熱戦は、相撲ファンの記憶に深く刻まれた、忘れられない場所となりました。

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