大石昌義

大石 昌義（おおいし まさよし）氏は、1972年7月18日に兵庫県西宮市で生まれた元プロ野球選手です。右投げ右打ちで、投手および外野手としてプロの世界に足を踏み入れました。彼のキャリアは、一度現役を引退しながらも打撃投手としてチームに貢献した後、再び選手としてグラウンドに戻り、さらにポジションを大きく変えるという、プロ野球界でも非常に珍しい軌跡をたどったことで知られています。

学生時代、中学では後に著名な女優となる常盤貴子さんと同級生であったとされています。鳴尾高校を卒業後、大学進学を目指し浪人生活を送っていた1991年に、プロ野球選手となるチャンスが訪れます。広島東洋カープが実施した新人テストを受け、これに合格。同年のプロ野球ドラフト会議にて、8位指名を受けてプロ入りを果たしました。

広島カープでは、1992年から1993年までの2シーズンを過ごしました。入団時は投手でしたが、残念ながら在籍期間中に一軍公式戦での登板機会を得ることはできませんでした。2年目のシーズンが終盤に差し掛かる頃には、ファーム（二軍）の試合において打者として起用される場面もあり、この頃から打撃面での可能性も探られていたようです。しかし、プロ入りからわずか2年でカープを退団することとなりました。

カープ退団後、大石氏は地元の球団である阪神タイガースに移籍します。1994年には、選手としてではなく、チームの練習を支える打撃投手としてタイガースと契約を結びました。ところが、同年6月、チーム内で投手が不足するという緊急事態が発生したことを受け、打撃投手であった彼に異例の白羽の矢が立ち、再び現役選手としてプロのマウンドに立つことになったのです。この現役復帰に伴い、背番号も打撃投手時代の108から、以前選手としてつけていた66へと戻されました。

現役復帰当初は投手としてプレーしていましたが、1996年にはさらなる転機を迎えます。これまでの投手経験に加え、カープ時代に二軍で打者としてプレーした経験なども考慮され、野手へのコンバートが行われたのです。ポジションは外野手となりました。しかしながら、阪神在籍中も、選手として一軍公式戦に出場する機会には恵まれませんでした。そして、この1996年シーズン限りで、プロ野球選手としての現役生活に最終的な区切りをつけることとなります。

現役引退後、大石氏は再び阪神タイガースに戻り、1997年から2001年までの間、打撃投手としてチームをサポートしました。この期間の背番号は109でした。タイガースを退団した後は、プロ野球界を離れ、一般企業に勤務する会社員として生活を営む傍ら、かつて阪神で共にプレーした同僚たちとともに、少年野球の指導にあたるなど、野球への情熱を持ち続けています。

プロ野球選手として在籍した期間を通して、広島および阪神において、一軍公式戦での投手または打者としての公式記録は残念ながら残されていません。しかし、一度引退した後に打撃投手となり、そこから再び選手として復帰し、さらに投手から野手へと転向するという、彼の歩んだ特異で波乱に富んだキャリアは、多くの人々の記憶に残るでしょう。

彼が使用した背番号は、広島時代の1992年から1993年、および阪神での現役時代にあたる1995年から1996年にかけては「66」でした。阪神で打撃投手として契約した1994年には「108」、そして二度目の打撃投手期間である1997年から2001年には「109」を背負いました。

兵庫県出身のプロ野球選手として、また広島東洋カープと阪神タイガースに所属した選手として、関連名簿にその名前を見ることができます。阪神タイガースの球団創設80周年記念特設サイトにも、在籍選手として成績（一軍出場なし）が掲載されています。

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