大聖寺沖地震

大聖寺沖地震の概要と影響

1952年3月7日、石川県の沖合約20キロの地点で発生した大聖寺沖地震は、M6.5の規模を持ち、多くの人的・物的被害を引き起こしました。この地震は、北緯36度29.8分、東経136度8.8分、震源深さ17キロメートルという位置で起こり、その影響が県内全体に及びました。

本震と余震の状況

本震の初動は地域によって異なり、震央の南北では上向きの引き、東西で下向きに押す動きが観察されました。また、節面は北西-南東、北東-南西の向きに存在しています。余震については、最大余震が3月8日に発生し、M5.0として福井市で震度3を記録しました。余震は震源地近くの深さ30キロ付近に多く集中し、福井地震の余震域の近くに位置しています。

地震による被害

大聖寺沖地震による被害は、特に震源に近い石川県で顕著で、7名の死者と8名の負傷者が出ました。死者の中には火災による焼死が5名おり、負傷者の一人も火災が原因でした。住宅や建物に対する被害は、主に壁の亀裂や剥脱であり、大聖寺町や小松市では屋根瓦の落下が報告されています。さらに、小松市においては、鳥居の石版額が落下し、幼児が死亡するという悲劇もありました。

多くのインフラにも影響が及び、道路の亀裂や電線・電話線の断裂が相次ぎました。金津町では用水路の堤防が決壊し、周辺の田んぼに浸水する被害も発生しました。また、湊村では手取川沿岸で液状化現象が観察されています。

福井県にも建物や道路に損害が見られ、北潟村では道路が亀裂し、一部の民家が地滑りで埋まる被害を受けました。地盤の沈下によって60戸の住宅が傾くという厳しい状況も報告されています。

教訓と反省

この地震は、日本における大きな地震の一つとして記憶されており、以降の防災対策に多くの教訓をもたらしました。地震に備えたインフラの強化や、住民への啓発活動の重要性が改めて認識され、震災後の復興活動においても、地域の絆や支え合う姿勢が重要視されています。

大聖寺沖地震は、日本の地震学や防災施策において重要な事例とされています。今後も震災の教訓を忘れず、地域社会全体で備えていくことが求められます。

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