大船渡市山林火災

大船渡市山林火災について

2025年2月26日、岩手県大船渡市で発生した山林火災は、広範囲にわたる焼失面積を記録し、甚大な被害をもたらしました。この火災は、平成以降日本最大規模の山林火災となり、地域社会に大きな影響を与えています。

火災の発生と時系列

この火災が発生する前、大船渡市および隣接する陸前高田市では、2月下旬に3件の山林火災が相次いで発生していました。

2月19日: 午前11時55分頃、大船渡市三陸町綾里田浜下の山林で「煙が見える」との通報。
2月25日:
午後3時5分頃、2月19日に発生した山火事が鎮圧状態に。焼失面積は約324ヘクタール。
午後3時20分頃、陸前高田市小友町柳沢の山林でゴミ焼きの火が燃え移ったとみられる火災が発生。
2月26日:
正午頃、2月25日に陸前高田市で発生した山火事が鎮圧状態に。焼失面積は約8ヘクタール。
午後1時2分: 大船渡市赤崎町合足の合足漁協近くの建物付近で火災が発生（本項の火災）。
午後1時33分：大船渡市が災害対策本部を設置。
午後2時：岩手県が災害特別警戒本部を設置。陸上自衛隊岩手駐屯地へ災害派遣要請。
午後2時14分：大船渡市綾里地区全域、合足地域に避難指示。
午後2時30分：消防庁災害対策本部を設置。
午後3時34分：岩手県知事から消防庁長官に対し緊急消防援助隊の応援要請。
午後3時50分：岩手県が災害対策本部を設置。
午後5時：消防庁職員を岩手県庁などに派遣。
午後5時20分：田の尻地区小路漁港の孤立者約15名を救助完了。
午後7時：災害救助法の適用を決定。
2月27日: 午前0時、内閣官房に情報連絡室を設置。
2月28日: 午前9時、内閣官房の情報連絡室を官邸対策室に改組。
3月1日: 午前7時30分、大船渡市甫嶺東地域などに避難指示。

甚大な被害状況

この火災による被害は甚大で、死者も確認されています。2025年3月2日6時時点で、焼失面積は1800haに達し、1992年の北海道釧路市で発生した山林火災（焼失面積1030ha）を大幅に上回りました。

死者：1人（男性、年齢不明）
住家被害：調査中（84棟に焼損の可能性）

消火活動の状況

大船渡地区消防組合消防本部が消火活動にあたるとともに、消防庁は周辺自治体に緊急消防援助隊の出動を要請しました。3月2日11時時点で、14都道県からの緊急消防援助隊が活動しています。

市民生活への影響

大船渡市は1896世帯4596人に避難指示を出し、3月2日午前11時時点で1206人が避難所に避難しました。また、経済活動にも影響が出ています。

太平洋セメント：従業員の安全確保のため工場を停止。
* 三陸鉄道：沿線への電力供給が停止したため、一部区間で運転を取りやめ。

今回の火災は、自然の猛威を改めて認識させられるとともに、防災対策の重要性を再認識する出来事となりました。被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。

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