大覚寺 (下呂市)

大覚寺について

大覚寺（だいがくじ）は、岐阜県下呂市萩原町に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号を諏訪山と称し、本尊には馬頭観世音菩薩が祀られています。この寺院は、明応8年（1499年）に常山迎禅師によって開かれたと伝えられており、長い歴史を持っています。

歴史

創建当初、大覚寺は萩原諏訪神社の別当として、神仏習合の時代には密接な関係を持っていました。しかし、神仏分離令により、その関係は解消されました。その後、一時的に衰退の時期を迎えますが、寛永年間に入り、禅昌寺の玉雲宗麟禅師によって中興され、再興を果たしました。

境内

境内には、吒枳尼天（だきにてん）を祀る鎮守堂があります。吒枳尼天は、仏教における天部の神であり、稲荷神と習合して信仰されることもあります。大覚寺の鎮守堂は、地域の人々にとって重要な信仰の場となっています。

札所

大覚寺は、益田三十三観音霊場のうち、二つの札所を管理しています。一つは、萩原にある福聚堂（ふくじゅどう）で、31番札所として閻魔大王が本尊として祀られています。もう一つは、上村にある示現堂（じげんどう）で、32番札所として聖観世音菩薩が本尊として祀られています。これらの札所を管理することは、大覚寺が地域における信仰の中心的な役割を担っていることを示しています。

下呂温泉周遊七福神めぐり

近年では、令和3年から始まった下呂温泉周遊七福神めぐりの霊場の一つにもなっています。大覚寺では、恵比寿天が祀られており、この七福神めぐりを通じて、多くの観光客や参拝者が訪れています。恵比寿天は、七福神の中で唯一日本の神様であり、商売繁盛や五穀豊穣の神として知られています。

まとめ

大覚寺は、長い歴史を持ち、地域の信仰の中心として重要な役割を果たしてきた寺院です。馬頭観世音菩薩を本尊とし、吒枳尼天を祀る鎮守堂があるだけでなく、益田三十三観音霊場の札所や下呂温泉周遊七福神の霊場としても、多くの人々に親しまれています。この寺院は、歴史的、文化的、そして宗教的にも、その価値が非常に高いと言えるでしょう。

参考資料

* 岐阜県益田郡『岐阜県益田郡誌』pp.468,469 大正5年

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