大評議会 (サンマリノ)

サンマリノ大評議会：国の立法府

サンマリノ共和国の中枢を担う機関、大評議会（Consiglio Grande e Generale）は、同国の立法府として重要な役割を担っています。本稿では、大評議会の概要、選挙制度、議員の資格、任期、そしてその権限について詳細に解説します。

議席数と選挙制度

大評議会は60議席から構成されています。選挙制度は歴史的に変遷しており、1945年から2007年までは拘束名簿式比例代表制を採用していました。しかし、2007年、選挙制度に大きな変更が加えられました。過半数ボーナス制度が導入され、最大得票を得た政党または政党連合が、最低でも35議席を獲得する仕組みとなりました。

具体的には、最大得票リストが第2ラウンド後も35議席に達しない場合、ドント式比例代表制に基づいて、不足分を補う仕組みです。例えば、最大得票リストが31議席を獲得した場合、残りの4議席は、ドント式で算出された、最も議席数の少ない政党から差し引かれることで、最大得票リストに配分されます。この制度は、安定した政権樹立を促進することを目的としています。

さらに、2019年6月2日の住民投票では、選挙制度の改正が承認されました。これは、総選挙から30日以内に行われた第1回投票で連立政権が樹立できない場合に限り、30日後に第2回投票を実施することを義務付けるものです。これは、政権の形成を促進し、政治的混乱を避けるための措置と言えます。

議員の資格と任期

大評議会の議員になるには、サンマリノ国民であり、25歳以上であることが必要です。一方、選挙権は18歳以上のサンマリノ国民に与えられています。議員の任期は5年ですが、大評議会が解散された場合は、任期満了前に終了します。

議院組織と権限

大評議会は、様々な委員会や小委員会を設置し、立法活動を進めています。具体的な議院組織や運営方法は、議会の内規によって規定されています。大評議会の権限は広く、法律の制定、予算の承認、政府への監視など、国の政策決定において中心的な役割を担っています。また、政府の構成や政策についても、大きな影響力を持っています。

まとめ

サンマリノ大評議会は、60議席からなる同国の立法府であり、独自の選挙制度と権限を持っています。過半数ボーナス制度や、第2回投票の導入など、安定した政権運営のための工夫が見られます。サンマリノ政治の中核として、同国の発展に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。今後の選挙制度の改革や政治情勢の変化によって、大評議会の役割や影響力がどのように変化していくのか、注目されます。

もう一度検索