大邱サムスン・ライオンズ・パーク

大邱サムスン・ライオンズ・パークは、韓国の大邱広域市に位置する、プロ野球チーム・サムスン・ライオンズの本拠地です。この球場は、KBOリーグに所属する同チームの活動拠点として知られ、2016年に開場しました。収容人数は29,178人で、韓国の野球場の中では最大規模を誇ります。球場の建設は、韓国の野球界におけるボールパークブームの一環として行われ、観客がより良い観戦体験を得られるよう工夫されています。

歴史と背景

サムスン・ライオンズは、1982年の設立以来、大邱市民運動場野球場を使用してきましたが、その老朽化が問題視されていました。1948年に建設されたこの球場は、構造的な問題が発生するなど、観客にとっての安全性が懸念されるようになりました。そこで、大邱広域市とサムスングループが共同出資して新しい球場の建設に着手することになりました。2012年12月に工事が始まり、2016年3月に完成しました。

初めて行われた試合は、2016年の3月19日にサムスン・ライオンズOBチームと芸能人野球チームの対戦で、その後、4月1日にはプロ野球の公式戦が行われ、サムスン・ライオンズが新球場での初勝利を記録しました。2017年には、初のプロ野球オールスター戦も開催され、多くのファンの注目を集めました。

施設の特徴

このスタジアムは、アメリカのフィラデルフィア・フィリーズの本拠地であるシチズンズ・バンク・パークを参考に設計されています。韓国初の八角ダイヤモンド型を採用し、観客席の配置を工夫することで、選手との距離感を縮めることを狙っています。内外野のフェンスは、シカゴ・ホワイトソックスの旧本拠地と同様に一直線に設けられ、観客が試合を見やすいよう配慮されています。また、ファウルグラウンドが非常に狭いことも特徴です。

スタンドは内野席の2階部分も含め、約29,000人を収容することが可能です。とはいえ、1塁側にはプレミアムシートが中心で、一般の観客席は比較的少ない設計になっています。それでも、様々な観覧スタイルを楽しめるように、フィールドシートやスカイボックス、バーベキュー席、ファミリー席、芝生席など、11タイプのテーマ席が用意されています。特に、エキサイティングゾーンと呼ばれる内野ベンチ前のフィールドシートは観客の人気スポットです。

通路はオープンコンコース式になっており、大型モニターが随所に設置されており、観客はトイレや売店に行く際にも試合を見逃さない配慮がされています。

設計の工夫

本塁は南西に配置されていますが、これは観客が日差しに煩わされないようにするための設計に基づいています。また、スタンドの日陰も最大限に確保されており、観客が快適に試合を楽しむことができるよう工夫されています。

スコアボードはライトスタンド後方に位置し、ダイヤモンド形状を模した大型映像装置が設置されています。これにより、観客は常に試合の進行状況を把握することができます。ダッグアウトは、過去の球場同様、ホームチームであるサムスンが3塁側を使用する設定になっています。

アクセス情報

大邱サムスン・ライオンズ・パークへのアクセスは、大邱都市鉄道公社2号線・大公園駅から徒歩50メートルと非常に便利です。ファンの多くは公共交通機関を利用して訪れており、多くの観客が集まるプロ野球の試合では混雑も予想されます。大邱の中心部からのアクセスも良く、試合日には地元のファンや観光客で賑わいます。

このように、大邱サムスン・ライオンズ・パークは、観客と選手との距離を縮め、試合の熱気を感じやすい設計が施された、現代的な野球場です。

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