大野操一郎

大野 操一郎（おおの そういちろう）

大野操一郎は、1901年2月25日に日本の島根県玉造村（現在の松江市）に生まれました。彼は、代々村医を営む家の次男として育ち、父は福間寛平、母はフサという名前でした。後に、大野藤吉・エイの養子となり大野姓を名乗りました。

幼少期から運動能力に長けていた大野は、運動神経が優れており、県立松江中学校に通っていた際、教師の芦田長一から剣道の指導を受けました。彼の才能は早くから認められており、2年生の時には主将を任されるほどの腕前を持っていました。

1922年、高校を卒業後に東京高等師範学校（現在の筑波大学）に入学し、体操科で剣道を専攻しました。高野佐三郎に師事し、更なる剣道の修行を行いました。しかし、卒業後は兵役に就くこととなります。大野は1927年に熊本県立八代中学校で教鞭を執り、2年後には東京の教育環境でのさらなる成長を求めて巣鴨中学校へ転任し、同時に東京師範学校の研究科にも入学しました。

1933年には第7回明治神宮体育大会剣道競技で一般30歳以上の専門家の部で準優勝を果たし、その名声を高めました。1937年には日中戦争に従軍し、歩兵第40連隊の小隊長として徐州作戦に参加。特に同年の黄河渡河戦では、その指揮を執り成功を収めましたが、悲しいことに1938年には戦闘中に被弾し、長期入院を余儀なくされました。

終戦を迎えると、1945年に巣鴨中学校を退職し、故郷の島根県に戻った大野は、県立産業高等学校で教鞭を執ります。1956年には国士舘大学に招聘され、体育学部教授、剣道部長、特別客員教授として活躍しました。また、全日本剣道連盟の相談役も務め、その剣道界への貢献は計り知れません。

1991年には国士舘大学の顧問に就任。その後1995年4月23日に94歳で逝去しました。特記すべきは、彼が日中戦争で重傷を負った日と同じ日に亡くなったことです。生涯にわたり剣道への情熱を持ち続け、道場に通いながらその教えを広めていきました。彼の墓所は松江市の常教寺にあります。

受賞歴

大野は生涯を通じて多くの賞を受けています。特に1989年度の日本武道協議会から武道功労者表彰を受賞し、1992年度には全日本剣道連盟から剣道特別功労賞を授与されました。

家族と趣味

1936年に14歳年下の節子夫人と結婚し、2男3女をもうけました。子供たちを大学へ進学させ、専門職に就かせたことを誇りに思っていました。孫は11人います。夫人は地域奉仕活動に尽力し、大野もまた剣道だけでなく、尺八（琴古流）や囲碁にも親しみました。また、犬を愛し、様々な犬種を飼ってコンテストでの優勝経験もあり、生涯を通じて多彩な趣味を持っていました。これらの活動が彼の人生を豊かにしたことでしょう。

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