大野栄一

大野栄一氏は、1950年に大阪で生まれ、数学教師として長年教育に携わってきました。1972年に京都産業大学理学部計算機学科を卒業後、大谷中学校・高等学校で数学教師を務め、多くの生徒たちに数学の面白さを伝えてきました。

大野氏の教育者としての活動は、数学の知識を教えるだけでなく、数学に対する興味や関心を育むことに重点が置かれています。そのためのツールとして、パソコンや電卓といった計算機を積極的に活用し、生徒たちが数学をより身近に感じられるような授業を展開しています。また、数学の概念を視覚的に理解できるよう、図形やグラフを多用した教材開発にも力を入れています。

大野氏の著書は、一般の読者にも数学の面白さを伝えることを目指しており、専門的な内容を分かりやすく解説しています。例えば、『パソコンで挑む円周率　πの歴史から計算まで』では、円周率の歴史や計算方法を、パソコンを使って分かりやすく解説しています。また、『電卓で遊ぶ数学　これぞ究極の電卓使用術』では、電卓を単なる計算道具としてではなく、数学的な思考を深めるためのツールとして活用する方法を提案しています。

さらに、『定木とコンパスで挑む数学　四則演算から作図不能問題まで』では、定規とコンパスという古典的な道具を使って、数学的な問題を解くことの面白さを伝えています。この本では、四則演算や作図といった基本的な内容から、作図不能問題といった高度な内容まで幅広く扱っています。

岩波ジュニア新書からは、『数学なんてこわくない』、『図形がおもしろくなる』を出版し、中高生向けの数学入門書を執筆しています。これらの本では、数学の基礎を分かりやすく解説しながら、数学が日常生活にどのように関わっているかを示し、数学への苦手意識を克服する手助けをしています。

その他にも、『目で見る数学の基礎　面積と体積』では、面積と体積といった基本的な概念を視覚的に理解できるように解説し、『見えない無限をつかまえる　無限小数からフラクタル、ファジィへ』では、無限やフラクタルといった、数学の中でも難解な概念を分かりやすく解説しています。

大野氏は、共著や編著も手掛けており、特に『パワーエレクトロニクス入門』は、オーム社から初版以降、版を重ねて出版されており、この分野の入門書として広く利用されています。

論文では、「コンピュータ・電卓・そろばんと計算力」、「コンピュータを活用した計算練習」など、計算機の利用と計算力に関するテーマを扱っています。これらの論文では、計算機を効果的に活用することで、生徒たちの計算力を高めることができると主張しています。

大野氏の趣味は、自転車、パソコンいじり、計算道具・計算機の収集など多岐にわたります。これらの趣味は、大野氏の知的好奇心の旺盛さを物語っており、彼の教育活動にも良い影響を与えています。

大野氏は、数学教育において計算機の活用を推進し、数学の面白さを広く伝えてきた人物として知られています。その著書は、数学を学ぶ人だけでなく、数学に興味を持つ一般の読者にとっても有益なものとなっています。

もう一度検索