大野義啓

大野 義啓（おおの よしひろ）は、1975年8月14日に兵庫県で生まれた、元柔道家であり、現在は鍼灸師、柔道整復師、そしてスポーツトレーナーとして活動しています。在日韓国人3世であり、本名は姜義啓（カン・ウィゲ）です。

柔道キャリアの始まりと成長


兵庫県明石市で少年時代を過ごし、小学5年生の時に地元の柔道場、陽明館で柔道を始めました。中学卒業後、柔道強豪校として知られる岡山県の作陽高等学校に進学し、厳しい鍛錬を積みました。さらに、天理大学体育学部で専門的な知識と技術を深め、競技者としての基盤を築き上げました。

大学卒業後は、実業団のダイコロに所属。この時期から、在日韓国人選手として韓国代表に選出され、国際舞台での活躍を目指すことになります。

国際大会での実績


大野氏は主に100kg超級の選手として国際大会に出場しました。1999年にスペインで開催された夏季ユニバーシアード柔道競技では、この階級で銅メダルを獲得。続く2000年には、地元大阪で行われたアジア柔道選手権大会でも、再び100kg超級で銅メダルを手にするなど、アジアトップレベルの実力を持つことを証明しました。

世界選手権への挑戦


2001年には、ドイツ・ミュンヘンで開催された世界柔道選手権大会に、無差別級の韓国代表として出場する機会を得ました。これは、1979年大会に出場し銅メダルを獲得した朴英哲（井上英哲）以来、久方ぶりに在日韓国人選手が韓国代表として世界選手権の畳に立つということで、多くの注目を集めました。強豪が集う無差別級の戦いにおいて、大野氏は健闘し、ベスト8という成績を残しました。

その後の競技活動


世界選手権後も競技生活を続け、2002年には中国で開催された国際柔道選手権大会の無差別級で優勝を果たしています。2003年の大阪世界柔道選手権大会においても、韓国代表に選出されましたが、負傷した選手の代替としてのエントリーにとどまり、残念ながら実際の試合に出場する機会はありませんでした。国内大会では、2005年の第60回晴れの国岡山国体で4位に入賞するなど、長く現役として活躍しました。

引退、そして新たな道へ


2007年に現役柔道家としてのキャリアに終止符を打ちました。柔道選手として活動する傍ら、鍼灸師および柔道整復師の国家資格を取得しており、引退後はこれらの専門知識と技術を活かした新たなキャリアに進みました。大阪に自身の鍼灸院を開業し、一般の患者さんやアスリートの身体のケア、コンディショニングにあたっています。また、スポーツトレーナーとしても積極的に活動しており、自身の豊富な競技経験を活かし、後進の指導や選手のパフォーマンス向上をサポートするなど、多方面で活躍を続けています。

主な戦績


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