大野裕

大野裕（おおの ゆたか）医師について

大野裕医師は、1950年3月11日生まれの日本の医学者、精神科医です。慶應義塾大学医学部を卒業後、同大学で長年にわたり教鞭を執り、保健管理センター教授を務めました。また、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター所長を経て、現在は同センターの顧問を務めています。

専門分野と主な活動

大野医師の専門は、臨床精神医学と認知療法です。特に、うつ病などの精神疾患に対する認知療法の権威として知られています。その専門知識を活かし、一般向けの著書を多数執筆し、認知療法を広く普及させることに貢献しています。

また、一般社団法人認知行動療法研修開発センターの理事長として、認知行動療法の専門家育成にも尽力しています。さらに、皇后雅子様の主治医を務めたことでも知られています。

学歴・職歴

愛媛県で生まれ、愛光中学校・高等学校を経て、1978年に慶應義塾大学医学部を卒業しました。1982年には同大学の助手となり、1989年には医学博士の学位を取得しています。その後、1994年に慶應義塾大学保健管理センターの医師、1996年には医学部専任講師、2002年には保健管理センター教授に就任しました。その間、コーネル大学医学部やペンシルベニア大学医学大学院への留学経験も持ちます。

2011年6月からは国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター所長に就任し、2015年4月より顧問を務めています。また、日本認知療法・認知行動療法学会の理事長、日本ストレス学会の理事も歴任しています。

著書

大野医師は、数多くの著書を執筆しており、その内容は一般読者にも理解しやすいように工夫されています。主な著書には、以下のようなものがあります。

『「うつ」を生かす うつ病の認知療法』
『メゲそうな心が晴れる本』
『こころが軽くなる気分転換のコツ』
『「うつ」を治す』
『「心配性」と上手につきあう方法』
『こころが晴れるノート うつと不安の認知療法自習帳』
『「心の病」なんかない。』
『はじめての認知療法 こころが晴れるメソッド入門』
『「折れない心」をつくる40のルール』

これらの著書では、認知療法の基本的な考え方や具体的な方法が紹介されており、読者が自身の心の状態を理解し、より良い状態へと導くための手助けとなっています。

翻訳書

大野医師は、海外の精神医学に関する書籍の翻訳も数多く手がけています。これらの翻訳を通じて、海外の最新の知見を日本に紹介し、日本の精神医学の発展に大きく貢献しています。主な翻訳書には、以下のようなものがあります。

『インポスター現象』
『認知療法 精神療法の新しい発展』
『精神疾患診断のエッセンス DSM-5の上手な使い方』
* 『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』

読売新聞人生案内

大野医師は、読売新聞の人生相談コーナー「人生案内」の回答者の一人としても活躍しています。相談者からの悩みに対して、専門的な知識に基づいた的確なアドバイスを提供し、多くの人々の心の支えとなっています。

まとめ

大野裕医師は、精神医学、特に認知療法の分野における日本の第一人者です。教育者、臨床医、研究者、著述家として、多岐にわたる活動を通じて、精神疾患に苦しむ人々の支援に尽力しています。

彼の業績は、認知療法の普及と発展に大きく貢献しており、今後もその活躍が期待されます。

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