大金国志

大金国志

『大金国志』（だいきんこくし）は、金の歴史を記述した書物であり、全40巻から構成されています。この書は、金から宋に帰順した宇文懋昭（うぶんぼうしょう）によって、1234年に編纂されました。

構成

『大金国志』は、以下の内容で構成されています。

本紀: 金の歴代皇帝の治世を記録。太祖から義宗まで、各皇帝の事績が詳細に記述されています。（26巻）
開国功臣伝: 金の建国に貢献した功臣たちの伝記。（1巻）
文学翰苑伝: 金代の文学者や学者の記録。（2巻）
楚・斉関連記事: 金が傀儡国家として立てた楚や斉に関する記事。（3巻）
制度その他: 金の政治、経済、社会、文化などに関する制度や事柄。（6巻）
宋・金間の誓書: 宋と金の間で交わされた誓約書。（1巻）
許亢宗奉使行程録: 許亢宗が使者として派遣された際の記録。（1巻）

各巻の目録詳細

以下に各巻の目録を詳細に示します。

卷一 太祖武元皇帝上
卷二 太祖武元皇帝下
卷三 太宗文烈皇帝一
卷四 太宗文烈皇帝二
卷五 太宗文烈皇帝三
卷六 太宗文烈皇帝四
卷七 太宗文烈皇帝五
卷八 太宗文烈皇帝六
卷九 熙宗孝成皇帝一
卷十 熙宗孝成皇帝二
卷十一 熙宗孝成皇帝三
卷十二 熙宗孝成皇帝四
卷十三 海陵煬王上
卷十四 海陵煬王中
卷十五 海陵煬王下
卷十六 世宗聖明皇帝上
卷十七 世宗聖明皇帝中
卷十八 世宗聖明皇帝下
卷十九 章宗皇帝上
卷二十 章宗皇帝中
卷二十一 章宗皇帝下
卷二十二 東海郡侯上
卷二十三 東海郡侯下
卷二十四 宣宗皇帝上
卷二十五 宣宗皇帝下
卷二十六 義宗皇帝
卷二十七 開国功臣伝 （粘罕 骨捨 斡離不 蒲路虎 兀朮 婁室 撻懶 撒離曷 窩里㬈 烏陵思謀）
卷二十八 文学翰苑上 （宇文虛中 蔡松年 蔡珪 高士談 馬定國 施宜生 郝俁 李晏 王寂 劉昂 楊雲翼 史肅 蕭貢 李遹 馮延登 梁持勝 馮璧 韓玉）
卷二十九 文学翰苑上 （王若虛 麻九疇 高廷玉 張萬公 董師中 胥鼎 張行中 路仲顯 耶律履 王予可 李獻甫 黨懷英 趙秉文 周昂）
卷三十 楚国張邦昌録
卷三十一 齊国劉豫録
卷三十二 立楚国張邦昌冊文 立齊国劉豫冊文 金国檢視大宋庫藏 金国取去大宋寶印 宗族隨二帝北遷
卷三十三 天文 地理 燕京制度 汴京制度 陵廟制度 儀衛
卷三十四 旗幟 車繖 服色 千官品列
卷三十五 雜色儀制 誥勅 除授 天會皇統科舉 天德科舉
卷三十六 皂隸 浮圖 道教 科條 赦宥 屯田 田獵 兵制
卷三十七 兩国往來誓書
卷三十八 京府州軍
卷三十九 初興風上 男女冠服 婚姻 飲食
卷四十 許奉使行程録
卷四十一 譯改國語解

意義

『大金国志』は、金の歴史を研究する上で重要な史料であり、当時の政治、社会、文化を知る上で欠かせない資料です。特に、金の制度や文化に関する記述は詳細であり、金の歴史を深く理解するための貴重な情報源となります。

この書は、金の滅亡後、比較的早い時期に編纂されたため、散逸を免れた史料も多く含まれています。そのため、現代において金の歴史を研究する上で、非常に重要な位置を占めています。

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