大関宗増

大関 宗増（おおぜき むねます）

大関宗増は、室町時代後期から戦国時代にかけて活躍した武将です。彼は那須氏に仕官し、その家臣として重要な役割を果たしました。大関氏は武蔵七党の一つであり、丹党流に属しており、那須七騎の一員でもあります。特に、彼の出生は寛正3年（1462年）で、父は大関増雄という武将でした。

宗増は、その才能を活かし、那須氏の再統一に尽力した那須資房に仕えました。この頃、宗増は彼の家族や親族との強い結びつきを持ちながら権力を広げていきました。しかし、彼の武将人生は決して平坦ではありませんでした。永正15年（1518年）、同僚であった大田原資清に対する嫉妬心が彼の行動を大きく揺るがしました。

嫉妬心から宗増は主君である那須氏に讒言した結果、大田原資清を追放することに成功しました。この出来事は宗増にとって一時的な勝利をもたらしましたが、後の彼自身の運命に暗い影を落とすこととなります。

天文11年（1542年）、大田原資清は越前国の朝倉氏の支援を受けて帰参しました。彼の戻りは宗増にとって厄介なニュースであり、事態は急速に変化しました。資清は宗増の嫡男、増次に奇襲を仕掛け、残念ながら増次は敗死してしまいます。この出来事は宗増にとって悲劇的な転機であり、その後の選択に迫られることになります。

敗北を重ねた宗増は、資清の長男である大関高増を養嗣子として迎えることを余儀なくされました。この選択は、彼がどれほど困難な状況に直面していたのかを示すものであり、彼自身の力が薄れてしまったことを象徴しています。このような一連の出来事は、武将としての地位や権力に影を落とし、その後の人生に影響を与えたのです。

大関宗増の物語は、武士としての誇りと、内面的な葛藤、同僚に対する嫉妬が如何に人間関係を複雑にし、最終的に悲劇を招くことに繋がるのかを教訓として伝えています。歴史の舞台で彼の名が知れ渡ってはいないかもしれませんが、このような小さな出来事の積み重ねが、それぞれの武将や家族の運命を形作っていくのです。

出典は『寛政重修諸家譜』からの情報によるものです。

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