大阪工業大学 (旧制)

大阪工業大学の歴史

大阪工業大学（おおさかこうぎょうだいがく）は、1929年に設立された日本の官立旧制大学であり、その前身には1896年に開校された大阪工業学校があります。この学校は対外的に工業技術者を育成することを目的としており、これが後の工業高等教育制度の礎となりました。

沿革の始まり

大阪工業学校設立は、1893年に大阪市議会から文部大臣に対して要望が出され、1895年の帝国議会で設立案が可決、1896年に正式に予算が承認されることで実現しました。学校は機械工芸科と化学工芸科の2科を設け、職業教育の場として発展しました。その後、1899年には学校の目的が職工養成から工業従事者の育成へと拡大し、新たに造船部も設置されます。

1901年には「大阪高等工業学校」に改称され、専門学校へと昇格しました。これにより教育内容がさらに充実し、特に機械科や応用化学科、冶金科などが設置されます。

大阪帝国大学との統合

1929年、大阪工業大学が設立されますが、その後1983年には大阪帝国大学との統合が進められ、1933年に本学は大阪帝国大学工学部として新たなスタートを切ります。この統合は、当時の高等教育の充実を求める声から生まれたものであり、全国的な大学改革の流れの一環でもありました。

校地の移転

最初の校地は大阪市北区玉江町にありましたが、急速に学生数が増加したことから、1921年から1923年にかけて大阪市都島区網島へと移転をしました。この新しい校地は、後の大阪工業大学など、いくつかの教育機関に引き継がれました。現在この場所には大阪市立東高等学校やNTTの研修施設が存在しています。

著名な出身者

大阪工業大学からは多くの著名な人材が輩出されています。その中には、ウイスキー製造技術者として知られる竹鶴政孝や、さまざまな企業の社長、また日本団体生命保険の社長である吉野孝一などがいます。これらの人々はそれぞれの分野で活躍し、同大学の教育の質を示す重要な存在として後に続きました。

まとめ

大阪工業大学の沿革は、日本の工業教育の発展に寄与した重要なものであり、その影響は現在の大阪大学工学部にも色濃く残っています。歴史を振り返ることで、教育機関としての役割や工業界に対する影響を改めて認識することができます。この大学の歴史は、工業技術の発展だけでなく、日本全体の教育制度の発展とも密接に関わっているのです。

もう一度検索