大阪工業専門学校 (旧制)

大阪工業専門学校（大阪工専/大工専）

大阪工業専門学校は、1939年（昭和14年）に創立された官立の旧制専門学校です。創立から1944年（昭和19年）までは大阪高等工業学校という名称でした。

概要

大阪工業専門学校は、1939年に増設された官立高等工業学校7校の一つです。設立当初の大阪高等工業学校には、機械科、精密機械科、原動機械科、電気科、金属工業科が設置され、後に造船科が増設されました。1944年に大阪工業専門学校と改称され、応用化学科も増設されました。

戦時中は全寮制で軍隊式教学が実施され、厳しい規律の中で教育が行われました。戦後は新制の大阪府立浪速大学工学部（現在の大阪府立大学工学部）の前身となり、同窓会は新制大学の卒業生と合同で開催されています。

大阪工業専門学校は、大阪府立大学工業高等専門学校（府立高専）や摂南大学とは異なる学校です。

沿革

大阪高等工業学校時代

1929年に官立大阪高等工業学校が大阪工業大学に昇格して以来、大阪には官公立の高等工業学校が存在しない状態が続いていました。そこで、大阪財界の要人らによって「大阪高等工業学校期成聯盟」が結成され、官立高等工業学校の誘致運動が開始されました。

1939年3月31日、文部省は高等工業学校増設を発表し、5月6日には校地が堺市百舌鳥東之町に決定しました。5月22日には文部省直轄諸学校官制が改正され、「大阪高等工業学校」が追加されました。5月23日には大阪高等工業学校規則が公示され、校長が任命されました。

1939年7月には第1回入学式が行われ、軍隊式の全寮制が実施されました。学生は隊列を組んで登下校し、外出は許可制、禁酒・禁煙、丸刈りが義務付けられました。

1942年3月には本科に造船科が増設され、第二部（夜間部）も設置されました。

大阪工業専門学校時代

1944年4月、大阪工業専門学校と改称され、学科が改組されました。1945年12月には退職軍人・生徒のために専修科が設置されました。1948年4月には本科に応用化学科が増設されました。

新制大学への移行に際しては、国立大学への単独昇格を望んでいましたが、最終的には大阪府立浪速大学へ移行することとなりました。

1949年4月、大阪府立浪速大学が発足し、大阪工業専門学校は工学部の母体となりました。1951年3月には最後の卒業式・閉校式が開催され、大阪工業専門学校は廃止されました。

校地

設立当初は、大阪府立堺職工学校に設置された仮校舎を使用していましたが、1940年10月に堺市百舌鳥東之町の新校舎が完成し、以後廃校まで使用されました。この校地は浪速大学に引き継がれ、現在の大阪府立大学中百舌鳥キャンパスとなっています。

至誠寮は堺市大野芝町に設置され、当初は全校生を収容する予定でしたが、実際には希望者のみの収容となりました。1949年の浪速大学発足に伴い、同校に引き継がれました。

歴代校長

初代：広瀬亜夫（1939年5月 - 1941年8月）
第2代：河合定二（1941年9月 - 1945年12月）
第3代：増山義雄（1945年12月 - 1951年3月）

著名な出身者

かたおかしろう - 劇作家

関連書籍

作道好男・作道克彦（編）『大学の歴史 : 大阪府立大学工学部』 教育文化出版教育科学研究所、1982年7月。

関連項目

旧制専門学校
高等工業学校
学制改革

外部リンク

大阪府立大学
大阪府立大学工学部
* 大阪府立大学工学部同窓会

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