大阪市立菅北小学校

大阪市立菅北小学校

大阪市立菅北小学校（おおさかしりつ かんぼくしょうがっこう）は、大阪府大阪市北区に位置する公立小学校です。地域における教育の拠点として、長い歴史と多様な教育活動を展開しています。

特色

本校の大きな特色の一つは、言語障がいのある児童を対象とした通級指導教室、「ことばの教室」が設置されていることです。ここでは、専門の教員が個々の児童の発達段階や障がいの特性に応じたきめ細やかな指導を行っており、児童のコミュニケーション能力の向上を支援しています。この教室は、本校に在籍する児童だけでなく、近隣の他校に通う必要のある児童も受け入れており、地域全体の特別支援教育に貢献しています。

沿革

創立と初期の歴史

大阪市立菅北小学校の起源は、1922年に大阪市北区の済美地区において、済美第四尋常小学校（後の北天満小学校、現在は扇町小学校に統合）から分かれる形で「大阪市済美第六尋常小学校」として開校したことに遡ります。開校式が行われた5月11日が、現在も本校の創立記念日とされています。創立間もない1922年には、済美地区の小学校6校で、日本で初めて常勤の学校衛生婦を配置するという画期的な取り組みが行われました。この衛生婦の配置は、後の養護教諭制度の源流となるものであり、本校が日本の学校保健の歴史において重要な役割を果たしたことを示しています。

戦時下の変遷と疎開

1925年には高等科が設置され、「大阪市済美第六尋常高等小学校」となりましたが、1930年には校舎が火災により全焼するという不幸に見舞われました。その後、1941年の国民学校令施行に伴い、校名は「大阪市菅北国民学校」と改められました。太平洋戦争の激化により、1944年からは都市部の児童を地方へ疎開させる学童疎開が実施されることになります。縁故疎開が困難な児童のため、本校でも学校主導の集団疎開が行われ、北区に割り当てられた滋賀県内の東浅井郡速水村（現在の長浜市の一部）および竹生村（現在の長浜市の一部）へ児童たちが避難しました。

戦災からの復興と再編

終戦後、太平洋戦争による戦災は本校の校舎や校区にも大きな被害をもたらしました。この影響を受け、戦後間もない1946年には、同じく被災した天満国民学校（旧称：済美第二尋常小学校、1901年創立）を統合しました。天満国民学校は、現在の北区与力町5番から同心1丁目5番にかけての一帯に位置しており、その跡地は現在、児童公園や大阪市の施設、民間ビルなどが立地しています。しかし、統合された旧天満校の校区の大部分は、1952年に大阪市立堀川小学校の校区へと変更されることとなりました。

現代へ

1947年の学制改革により、本校は現在の名称である「大阪市立菅北小学校」に改称されました。戦後の復興期を経て、地域社会の変化に対応しながら教育活動を継続しています。1992年には生涯学習ルームが併設され、地域の生涯学習の拠点としての機能も担うようになりました。また、1993年には前述の通級指導教室が設置され、多様なニーズを持つ児童への支援体制が強化されています。

教育環境と進学先

大阪市立菅北小学校の通学区域は、大阪市北区内の樋之口町、菅栄町、池田町、錦町、天神橋4丁目から6丁目、そして扇町1丁目の一部にわたります。卒業した児童の多くは、大阪市立天満中学校へと進学します。

交通アクセス

本校への最寄り駅は、Osaka Metro谷町線・堺筋線および阪急千里線の天神橋筋六丁目駅です。この駅からは南西へ約300メートルの距離に位置しており、徒歩数分でアクセス可能です。

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