大阪府立上方演芸資料館

大阪府立上方演芸資料館について

大阪府立上方演芸資料館（通称：ワッハ上方）は、1996年に大阪市中央区難波千日前に設立された、上方演芸に特化した資料収集・保存機関です。施設の運営は当初、吉本興業の管理下にありましたが、2015年からは大阪府による直営となり、一般公開と資料の蓄積に力を入れています。

設立の背景と位置

この資料館は、上方お笑い芸人の横山ノックが大阪府知事を務めていた際に設立されました。場所は、なんばグランド花月の真正面に位置するYES・NAMBAビルの7階で、下階にはドン・キホーテが入居しています。開館当初から上方演芸の重要な拠点となり、多くの人々に愛され続けています。

殿堂入り制度

毎年、上方演芸の殿堂入りを選考しており、初代桂春団治を含む、落語や漫才、浪曲などで長年にわたり活躍した芸人たちを名人として称えています。この制度は、伝統芸能の価値を後世に伝える大切な役割を果たしています。

現在の施設とサービス

現在、7階に位置する「演芸ライブラリー」は無料で入場可能で、テレビやラジオなどの過去の演芸番組を視聴できるほか、さまざまな書籍やDVDも閲覧できます。かつての展示室では、上方演芸の歴史を感じられる展示品が並んでいましたが、現在はこの施設での資料の収集と保存に重きを置いています。

殷々たる歴史

大阪府立上方演芸資料館は、その設立以来、地域の文化を支える重要な施設として機能しており、上方落語協会などの関連団体とも連携を図っています。5階には300人収容のホールが存在し、上方落語の定席として利用されていましたが、現在は別の劇場として再オープンしています。このように、演芸の文化と歴史を発信し続ける役割を担っているのです。

経営の課題

しかし、運営には課題も伴いました。前府知事の橋下徹が提案した財政改革により、資料館の移転が議論されましたが、最終的にはその提案は撤回され、現地に残ることが決まりました。財政的な問題から吉本興業との間には疑念も生まれ、それに対し吉本も反論を行うなど、複雑な背景があります。

今後の取り組み

大阪府立上方演芸資料館は今後も、上方演芸のさらなる発展と継承を目指しながら、地域文化の盛り上げに貢献することを目指しています。演芸ファンはもちろん、幅広い年齢層の方々が楽しめる資料館としての役割を果たすことを期待されています。観光や文化交流の拠点として、今後ますます注目されることでしょう。

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