大阪府立池田北
高等学校(おおさかふりつ いけだきたこうとうがっこう)は、
大阪府池田市の北部に位置していた公立の
高等学校です。
1984年に設立され、
2018年3月に閉校するまでの34年間、様々な教育活動を行ってきました。校名の愛称は「池北(いけきた)」で、地域の生徒たちに親しまれていました。
学校の概要
池田北高校は、全日制の普通科のみが設置されていたにもかかわらず、
大阪府立高校の中で唯一の
音楽専門コースを持っていました。このため、
音楽に興味を持つ生徒にとっては非常に魅力的な選択肢となっていました。学校は、住宅地の中に位置し、標高約100メートルの高台にあるため、晴れた日には大阪湾や
淡路島を見渡すことができる風光明媚な環境にあります。周辺には緑が多く、自然に囲まれた学びの場が用意されていました。
校章と交通アクセス
校章は
池田市の市花である「さつき」を基にデザインされており、大きく伸びる双葉を象徴しています。最寄りの公共交通は川西市にある
能勢電鉄の
鼓滝駅ですが、約2.6キロメートル離れており、公共交通機関がないため多くの生徒は6.4キロメートル離れた阪急池田駅からのバスを利用して通学していました。そのため、バスの遅延やなかには運休が生じ、始業時間の変更や休校措置が取られることもありました。
音楽専門コース
創立当初から設置されていた
音楽専門コースは、文化的な活動を重視し、多くの生徒に受け入れられていました。
音楽を学ぶことを希望する生徒は、1年次に芸術選択科目として
音楽を選択し、2年次以降はより専門的なカリキュラムへ進んでいきました。このコースには毎年約30名が参加し、
音楽大学や
短期大学への進学も多く、進学率も高いことで知られていました。さらに、
音楽室や防音室など専門的な設備も整備され、学ぶ環境が充実していました。
選択科目対策
音楽だけでなく、多様な選択科目も設けられており、国際理解を深めるためのエスペラントや
朝鮮語、
中国語などの語学も学べました。また、自然素材を使った造形演習といった伝統技法に関する科目も開講され、生徒の幅広い興味に対応していました。
閉校とその後
しかし、2014年9月に
大阪府教育委員会は生徒の定員割れが4年続いていることを受け、
2016年度から生徒募集を停止すると発表しました。そして、
2018年3月31日には閉校を迎えました。閉校式が行われ、多くの卒業生や在校生がその時を見守りました。その後、閉校した校舎は地域の運動場開放事業の場となり、地域の人々に利用されることになりました。
跡地利用
池田市教育委員会による運動場開放は2023年9月末まで続けられましたが、跡地の活用方法については未定です。教育委員会は民間事業者の関心を探る調査を行い、売却や再開発の計画が打ち出されています。
著名な出身者
池田北高校からは、女優の
原田樹里や元
宝塚歌劇団による華雪りらなど、さまざまな分野で活躍する人材が輩出されました。彼らは学校の代表的な存在として、同校の教育の成果を象徴しています。
このように、
大阪府立池田北
高等学校は
音楽を中心にさまざまな教育の機会を提供し、多くの生徒にとって特別な学びの場所であり続けました。