大阪府警賭博ゲーム機汚職事件

大阪府警賭博ゲーム機汚職事件

1982年に発生した大阪府警賭博ゲーム機汚職事件は、大阪府警察内部での贈収賄が明らかになった一連の scandal です。この事件では、違法な賭博ゲーム機に関連する情報を業者に漏洩し、それに見返りとして賄賂を受け取っていた警察官が逮捕され、さらに多数の警察官が処分を受けました。事件の結果、関わった警察官の中には自殺を選ぶ者もおり、社会に大きな衝撃を与えることとなりました。

背景

1982年の大阪では、ゲーム機を改造して賭博を行う行為が秘密裡に拡大していました。この問題に対し、読売新聞大阪本社の社会部が積極的にキャンペーンを展開し、社会的関心を高めました。これを受けて大阪府警は摘発活動を行いましたが、十分な成果を上げることができず、捜査情報が漏洩している疑惑が浮上しました。

事件の経緯

1982年11月1日、事件は巡査長Aの逮捕から始まりました。彼は賭博ゲーム機の摘発に関する情報を業者に提供し、賄賂を受け取っていたとされ、Aと共に逮捕された業者の存在が明らかになりました。さらにAは、過去の上司であるBの関与も囁かれました。Aの逮捕があった11月2日には、布施署の巡査部長Cが自宅で自殺を図り、遺書を残しました。

その後、ゲーム喫茶やピンクサロンの業者も次々に逮捕され、11月10日にはBが主犯として逮捕されます。11月11日には、事件勃発時の大阪府警本部長が自殺を選び、その遺書には「監督責任を痛感」との内容が綴られていました。11月24日には、更なる逮捕者が続出し、年末までに現役とOB含む警察官7名が逮捕、賄賂の総額は2000万円以上に達しました。

1983年1月20日、国家公安委員会と大阪府警は事件に関与した者や監督責任を問い、120名が処分されることが発表されました。この時点で既に4名が逮捕され懲戒免職となり、結果として124名が処分を受けることになりました。警察庁の三井脩長官は、この問題を受けて記者会見を行い、全国の警察の信頼回復に向けた決意を表明しました。

事件のその後

事件の影響を受け、読売新聞大阪社会部は1984年に『警官汚職』という書籍を出版しました。この本は、その年の日本ノンフィクション賞を受賞し、事件の重要な記録となりました。それ以降も、大阪府警内での不祥事が起こる度にこの事件が引き合いに出されるなど、日本の警察制度に対する重要な警鐘となっています。大阪府警賭博ゲーム機汚職事件は、単なるスキャンダルに留まらず、警察の信頼性という根本的な問題に警鐘を鳴らす出来事でした。

もう一度検索