大阪府道・兵庫県道604号野間出野一庫線

大阪府道・兵庫県道604号野間出野一庫線（おおさかふどう・ひょうごけんどう604ごう のましゅつのひとくらせん）は、大阪府豊能郡能勢町野間出野を起点とし、兵庫県川西市一庫を終点とする、大阪府と兵庫県に跨る一般府道・県道です。総延長は約8.3キロメートルで、両府県の県境を複数回越えながら山間部を進む路線となっています。

路線概要

この路線は、大阪府豊能郡能勢町野間出野にある大阪府道4号茨木能勢線との交差点を起点とし、兵庫県川西市一庫の井補野交差点で国道173号に接続するまでの区間を指します。沿線には一庫ダムによって形成された知明湖があり、特にその周辺の道路は整備が進んでおり、概ね片側1車線の確保された安定した2車線区間が続きます。これにより、比較的スムーズな通行が可能となっています。しかし、全線が広幅員であるわけではなく、大阪府道106号吉野下田尻線との分岐点近くなど、一部には道幅が狭まり、自動車のすれ違いに注意が必要な1.5車線程度の区間も存在します。また、本路線の一部区間では、交通規制が実施されています。特に、土曜日、日曜日、祝日の終日においては、安全上の理由や環境保護の観点から、自動二輪車や原動機付自転車などの二輪車の通行が禁止されています。この規制区間を通行する際は、事前に標識などで確認することが重要です。

路線の歴史

現在の大阪府道・兵庫県道604号という路線番号は、比較的近年に統一されたものです。かつては、兵庫県においては「兵庫県道318号野間出野一庫線」として、大阪府においては「大阪府道107号野間出野一庫線」として、それぞれ異なる番号で認定されていました。路線の基礎となる認定は古く、昭和34年（1959年）11月9日に兵庫県が、同年12月1日に大阪府がそれぞれ認定しています。その後、府県を跨る路線番号の整合性を図るため、改番が実施されました。平成5年（1993年）12月20日に兵庫県が318号から604号へ変更し、翌年の平成6年（1994年）4月1日には大阪府も107号から604号へと変更しました。これにより、両府県で同一の路線番号となりましたが、改番から長期間が経過した現在でも、一庫ダム付近など一部の区間には、旧兵庫県道時代の「318」と記された道路標識がそのまま残されており、路線の変遷を示す証として存在しています。

通過自治体

この路線は、起点から終点までの間に複数の自治体を通過します。主な通過自治体は以下の通りです。
大阪府豊能郡能勢町
兵庫県川西市
大阪府豊能郡豊能町
兵庫県川西市
このように、大阪府と兵庫県の府県境、および能勢町、豊能町、川西市の市町境を複数回通過するルートとなっています。

交差する主な道路

大阪府道4号茨木能勢線（起点）
国道173号（終点：井補野交差点）

主な道路施設

本路線には、地形的な制約を克服するための様々な構造物が存在します。主なものを以下に挙げます。

橋梁:

国崎大橋（兵庫県川西市に所在）
郷内橋（大阪府豊能郡豊能町と兵庫県川西市の間に所在）

トンネル:

複数のトンネルが掘削されており、スムーズな通行に寄与しています。
笹ヶ谷トンネル：延長172m、1978年（昭和53年）竣工、兵庫県川西市
桐山トンネル：延長60m、1979年（昭和54年）竣工、兵庫県川西市
保の谷トンネル：延長80m、1979年（昭和54年）竣工、兵庫県川西市と大阪府豊能郡豊能町の間に所在
郷内隧道：延長155m、1979年（昭和54年）竣工、大阪府豊能郡豊能町
井補野トンネル：延長140m、1977年（昭和52年）竣工、兵庫県川西市
これらのトンネルは、昭和50年代後半から昭和50年代末にかけて集中的に建設されたことが分かります。

沿線施設

本路線の沿線やその周辺には、地域の重要な施設が位置しています。
一庫ダム：路線の名称に含まれる「一庫」の地にあるダムで、周辺は知明湖として親しまれ、景勝地となっています。
* 国崎クリーンセンター：兵庫県川西市にある清掃工場です。

大阪府道・兵庫県道604号野間出野一庫線は、能勢町と川西市を結ぶ山間ルートとして、知明湖周辺の整備された区間と一部の狭隘区間、二輪車通行規制といった特徴を持ち合わせています。また、旧番号の標識が残る歴史的な側面や、多くの橋梁・トンネルといった構造物も、この路線の個性と言えるでしょう。

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