大阪戦争

大阪戦争の概略

大阪戦争は、1975年7月26日から1978年11月1日にかけて発生した、三代目山口組と二代目松田組との激しい抗争を指します。この抗争は、大阪府およびその周辺で展開されたもので、組織の力の変動や社会的影響を引き起こしました。

1. ジュテーム事件

抗争の発端は、1975年7月に豊中市の喫茶店「ジュテーム」で起きた事件です。この際、松田組系の溝口組が山口組の佐々木組の幹部たちに襲撃をかけ、3名を射殺しました。この背後には、佐々木組の一部のメンバーが溝口組の賭場でトラブルを起こしたことがありました。初めは和解の兆しも見えましたが、松田組幹部の自宅が攻撃されると、戦闘は再燃し、大阪周辺の山口組勢力も巻き込まれることになりました。

2. 日本橋事件

抗争は一時的に沈静化しましたが、1976年10月3日に再び緊張が高まりました。大阪の日本橋筋商店街で、大日本正義団の会長が佐々木組のメンバーに襲撃され射殺されました。この事件は社会に大きな衝撃を与え、一般市民の間に恐怖を広めました。松田組が報復に出るとの懸念もありましたが、予想に反してしばらく平穏が続きました。

3. ベラミ事件

しかし、1978年7月11日に発生したベラミ事件が抗争の流れを大きく変えました。この日に京都で山口組の組長が狙撃され、命を狙われました。この攻撃は大日本正義団の幹部によるもので、田岡一雄は重傷を負いましたが、一命を取り留めました。その瞬間から、山口組は報復行動に出ることになります。

4. 抗争の激化と終結

報復行為が続く中、山口組は松田組の幹部や構成員を次々と襲撃し、多くの死者を出しました。この状況の中、山口組の若頭が指揮を取ったことで、抗争の激しさは増しました。11月1日には抗争の終結が報道され、松田組側もそれに従う形で抗争が終息しました。

5. 抗争後の組織の運命

この抗争は山口組にとって力を示す機会であり、その組織としての威信を再確認する場となりました。しかし、抗争後の山口組のリーダーは健康を損ない、1982年にはこの世を去りました。また、松田組は再編成を試みるものの、その力を回復することはできず1983年に解散します。これが後の組織内の対立や混乱（山一抗争）を引き起こすきっかけとなりました。

6. 大阪戦争の影響

大阪戦争は、遵法精神が問われる事件に社会が直面する契機となりました。抗争に関与した多くの人物が長期の懲役刑に服しましたが、その後、山口組内で活躍の場を得る者も出てきます。この一連の事件は、日本社会に深い爪痕を残しました。

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