大順平定

大順平定（たいじゅんへいてい）は、明代に段鋹（だん ちょう）が自立を宣言した際に使用したとされる私年号です。この年号は、史料における解釈が分かれており、その実態は複雑です。

「大順平定」の解釈について

研究者の李崇智は、史書や研究書を詳細に考証した結果、「大順」と「平定」を別々に解釈するべきであるという見解を示しています。多くの史料が「大順」を国号として扱うか、「大順」と「平定」をそれぞれ元号として扱うなど、「大順平定」を一つの元号として扱っていないことを指摘しています。このことから、李崇智は「大順平定」を一元号としてみなす考えを否定しています。

史料における記述のばらつき

史料によって、「大順」を国号とする記述もあれば、「大順」と「平定」を共に元号とする記述もあり、その扱いには統一性がありません。このような史料のばらつきが、「大順平定」の実態をより曖昧なものとしています。この年号が実際に使用されたのか、また、どの範囲で使用されたのかなど、不明な点が多いのが現状です。

使用年代について

年代については、鍾淵映（しょう えんえい）の『歴代建元考』に「正徳□年」との記述があるものの、具体的な年号は特定されていません。このため、大順平定が実際にいつ使用されたかについては、現状では断定することができません。他の史料との照合など、今後の研究による解明が待たれます。

まとめ

大順平定は、明代に段鋹が自立を宣言した際に使用したとされる私年号ですが、その実態については不明な点が多いのが現状です。史料における記述も統一されておらず、「大順」と「平定」を別々に解釈する見解が有力です。年代についても特定されておらず、今後の研究によってさらなる解明が期待されています。

参考資料

李兆洛『紀元編』：「平定」の注に、一説として「大順平定」を挙げている。
李崇智『中国歴代年号考』（北京：中華書局，2001年1月） ISBN 7101025129 216ページ。

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