大館競馬場

大館競馬場の歴史

大館競馬場（おおだてけいばじょう）は、秋田県大館市に位置していた競馬場で、その存在は1948年から1955年まで続きました。この競馬場の設立には、地域の有力者たちが中心となって誕生した大館競馬倶楽部が大きく関与しており、競馬場の建設への動きが高まったのは1947年（昭和22年）のことでした。

設立の背景

当時の大館町では、競馬の開催による地域振興が期待され、競馬場の建設が進められました。その結果、場所は上川沿村根下戸新町の国道5号線沿いに選定されました。この地は、水資源にも恵まれており、競馬場としての条件が整っていました。中田儀直をはじめとする有力者たちは、既存の競馬場を視察し、1948年5月に完成した大館競馬場は当時東北地方最新の施設として開業を迎えました。

初の開催

1948年5月21日から25日までの5日間、第一回大館競馬が行われた際、秋田県としては戦後初の競馬開催であり、多くの地域経済活性化が期待されました。競馬場のコースはユニークなスパイラルカーブを持ち、五角形の構造をしております。この特徴は、他の地域の競馬場にはない魅力を持っていました。

県営化とその後の展開

しかし、1948年6月に公布された新競馬法により、競馬を開催する主体は県や市町村に限定されました。この結果、大館競馬倶楽部が所有していた施設は秋田県に借りられる形となり、県営での競馬開催が行われることになりました。1949年5月5日から8日には、第1回県営大館競馬が行われましたが、これは出席者の減少と売上の低迷につながり、経営の厳しさを痛感させました。

終焉

続く数年間は、入場者数や売り上げの減少が続き、競馬場は赤字経営に苦しむこととなります。その後、上川沿村が大館市に編入された1955年3月31日をもって、大館競馬場と秋田競馬場は共に閉鎖されました。これにより、大館競馬場は約7年間の歴史を閉じることとなりました。

おもな競走

大館競馬場では、特に町長賞という競走が行われていました。このような賞の存在も、地域に根差した競馬の場であったことを象徴しています。

まとめ

大館競馬場は、戦後の日本における競馬の復興と地域の経済振興を担う重要な役割を果たしました。閉鎖後も、その存在と影響は、秋田県や地域の人々にとって忘れられない思い出として残っています。また、地域競馬の変遷は、地方競馬全体の歴史とも非常に興味深い関わりを持っていると言えるでしょう。

もう一度検索